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介護施設のAI導入に使える補助金一覧|ICT導入支援事業との併用方法

2026.08.02 1分で読めます 生成AI総合研究所編集部
公開日: 2026年8月2日

介護施設のAI導入は、ICT導入支援事業(補助率2/3・上限260万円)とIT導入補助金の「二重取り」が可能です。異なる経費に対してそれぞれ補助を受けることで、実質負担を大幅に圧縮できます。AI搭載の見守りセンサー・AIを活用した介護記録システム・シフトAIの導入で記録業務を月100時間削減した事例を紹介します。

「介護記録を書くのに2時間かかる。その2時間を利用者さんに使いたい」——介護施設の現場から、生成AI総合研究所にはこうした声が多く届きます。

介護業界は、日本で最も深刻な人手不足に直面している業種のひとつです。介護労働安定センターの調査によると、介護施設の人手不足感は常に高い水準にあり、離職率の高さと採用難が慢性的な課題です。限られたスタッフで質の高い介護を提供するためには、「利用者と向き合う時間」以外の業務——介護記録の入力、シフトの作成、夜間の巡回——を可能な限り効率化する必要があります。

ここにAIとICTの技術が有効な解決策を提供します。AI搭載の見守りセンサーで夜間の巡回回数を1/3に削減し、音声入力で介護記録の作成時間を40%短縮し、AIシフト管理で月のシフト作成を3時間から30分に短縮する。これらの技術は、すでに実用化されています。

そして介護業界には、他の業種にはない大きなアドバンテージがあります。介護専用の補助金制度(ICT導入支援事業・介護ロボット導入支援事業)が充実しており、一般的な補助金(IT導入補助金等)との併用が可能です。この「二重取り」を活用すれば、実質負担を導入費用の30%程度に圧縮したAI導入が実現します。

本記事では、介護施設で使えるAI活用法4選、介護特有の補助金と一般補助金の併用可否の整理表、記録業務を月100時間削減した施設の事例、そして現場スタッフの抵抗感を乗り越える方法を詳しく解説します。

この記事でわかること
– 介護施設でのAI活用4選(見守り・ケアプラン・記録・シフト)と各領域の削減効果
– ICT導入支援事業+IT導入補助金の「二重取り」方法と併用可否の整理表
– 介護ロボット導入支援事業の活用ポイント
– 特別養護老人ホームJ施設のAI導入事例(月100時間削減の全記録)
– 費用シミュレーション(小規模デイサービス・中規模特養・大規模複合施設の3パターン)
– 現場スタッフの抵抗感を解消する3つのアプローチ


目次

  1. 介護施設でのAI活用4選——「記録業務」と「見守り」が最も効果大
  2. 介護特有の補助金と一般補助金の併用方法——「二重取り」の整理表
  3. 導入事例:特別養護老人ホームJ施設——記録業務月100時間削減の全記録
  4. 費用シミュレーション——3つの規模パターン
  5. コスト・補助金情報
  6. 導入ステップ——介護施設のAI導入は「記録の音声入力」から
  7. 失敗パターンと回避策
  8. 現場から寄せられる疑問と回答
  9. まとめ:介護施設のAI導入は「記録の音声入力」から始め、補助金の「二重取り」で費用を圧縮する

介護施設でのAI活用4選——「記録業務」と「見守り」が最も効果大

介護施設でAI導入の効果が高い4つの領域を、業務負荷の削減効果が大きい順に整理します。

順位活用領域主なツール月間削減効果導入難易度
1介護記録の自動化音声入力+AIテキスト変換月40時間削減(40%短縮)
2見守りの省力化AI搭載見守りセンサー+AI分析夜勤巡回を1/3に削減
3ケアプランの作成支援AIケアプラン作成支援ツール1件あたり2時間→30分
4シフト管理の自動化AIシフト管理ツール月3時間→30分

出典:介護労働安定センター「介護ロボット・ICT導入効果調査」(2025年)を基に生成AI総合研究所作成

1. 介護記録のAI化(月40時間削減)——最も効果が大きく導入のハードルが低い

介護施設のスタッフが最も時間を取られている「介護以外の業務」は、介護記録の入力です。介護保険法に基づく記録義務があるため、食事・入浴・排泄・バイタル・活動内容・特記事項を利用者ごとに毎日記録する必要があります。

従来の記録方法は、紙の記録用紙に手書き、またはPCに手入力するのが主流でした。1人の利用者の記録に5分、入居者50名の施設なら毎日250分(約4時間)が記録作業に費やされます。月換算で約100〜120時間です。

音声入力+AIテキスト変換を活用すると、スタッフがスマートフォンやタブレットに「○○さん、12時に昼食全量摂取。食欲良好。午後のレクリエーションにも参加」と話すだけで、AIが介護記録の定型フォーマットに自動変換して保存します。手書きやPC入力に比べて、入力時間は約半分になります。

介護労働安定センターの「介護ロボット・ICT導入効果調査」(2025年)でも、介護記録の電子化・音声入力化は導入効果の満足度が最も高い領域として報告されています。月間の記録時間を40%削減できるため、入居者80名の施設では月約100時間の削減になります。

この100時間は、利用者とのコミュニケーション、レクリエーションの充実、スタッフの休憩時間の確保に充てることができます。「記録に追われて利用者さんと話す時間がない」という慢性的な悩みが大幅に改善されます。

さらに見逃せないのは、記録業務の負荷軽減が離職率の改善に直結するという点です。後述するJ施設の事例では、記録業務のAI化後に年間離職率が18%→10%に低下しました。「記録がつらい」は離職理由の上位にランクされており、この負荷を取り除くことは人材定着の直接的な施策になります。

2. 見守りの省力化(夜勤巡回1/3に削減)——AI搭載見守りセンサーの威力

介護施設の夜勤は、1〜2名のスタッフが数十名の利用者の安全を見守るという、心理的・身体的に非常に負荷の高い業務です。多くの施設では2時間ごとの巡回が必要で、1回の巡回に30分〜1時間を要します。

夜勤の課題は3つあります。

第一に、身体的疲労です。夜通しの巡回でスタッフの体力は限界に達し、翌日のパフォーマンスにも影響します。夜勤が理由で離職するスタッフも少なくありません。

第二に、利用者の睡眠阻害です。巡回のために居室のドアを開ける音、懐中電灯の光で利用者が目を覚まし、睡眠の質が低下します。特に認知症の利用者は、巡回を「見知らぬ人が部屋に入ってきた」と認識して不安になるケースがあります。

第三に、「巡回の合間」のリスクです。2時間ごとの巡回では、巡回と巡回の間に発生する異変(転倒・体調急変等)に気づけないリスクがあります。

AI搭載の見守りセンサーは、ベッドに設置したセンサーが利用者の呼吸・心拍・体動をリアルタイムでモニタリングし、異常が検知された場合にのみスタッフのスマートフォンにアラートを送信します。「センサーが『異常なし』を示している利用者は巡回不要」という運用にすることで、巡回の回数を1/3に削減できます。

さらに、AI搭載の見守りセンサーは「巡回の合間」のリスクも解消します。24時間リアルタイムでモニタリングしているため、転倒や体調急変が発生した瞬間にアラートが送信され、即座に対応できます。

3. ケアプラン作成支援(1件2時間→30分)

ケアプランの作成は、ケアマネジャーの専門的な判断が求められる業務ですが、作成にかかる時間の大部分は「文書のフォーマットに沿った記述」です。

AIケアプラン作成支援ツールは、利用者のアセスメント情報(ADL・IADL・疾患・服薬・家族状況等)を入力すると、過去の類似ケースを参照して目標設定・サービス内容・モニタリング項目の下書きを自動生成します。ケアマネジャーはAIの下書きを確認・修正するだけで、1件あたり2時間かかっていたケアプラン作成が30分に短縮されます。

ただし、ケアプランの最終判断は必ずケアマネジャーが行う必要があります。AIは「下書き」であり、利用者の個別性に基づく判断——ご本人の意向、ご家族の要望、地域の介護資源の状況——は人間にしかできません。AIはケアマネジャーの「事務的な負荷」を軽減するツールであり、専門的判断を代替するものではありません。

4. AIシフト管理(月3時間→30分)

介護施設のシフト作成は、「早番・日勤・遅番・夜勤のローテーション」「資格(看護師・介護福祉士等)の配置要件」「スタッフの希望休」「労基法の制約(夜勤明けの休日等)」「利用者の状態に応じた人員配置」を同時に満たす必要があり、非常に複雑です。

手作業でシフトを組むと、管理者が月3時間以上を費やします。修正依頼が来るたびにパズルのように全体を組み直す必要があり、精神的な負荷も大きい業務です。

AIシフト管理ツールに上記の条件を設定すると、最適なシフト案が数分で自動生成されます。管理者はAIのシフト案を確認・微調整するだけで完了です。


介護特有の補助金と一般補助金の併用方法——「二重取り」の整理表

介護施設のAI導入における最大のアドバンテージは、介護専用の補助金と一般的な補助金を併用できることです。これは他の業種にはないメリットです。

介護施設が使える補助金一覧

補助金名所管補助率上限額主な対象経費
ICT導入支援事業厚生労働省2/3(従業員1〜10名の場合)260万円介護ソフト・タブレット・Wi-Fi
介護ロボット導入支援事業厚生労働省1/2〜3/4100万円/台見守りセンサー・移乗支援ロボット
デジタル化・AI導入補助金経済産業省1/2〜2/3最大450万円シフト管理・勤怠管理等の汎用SaaS
人材開発支援助成金厚生労働省75%(中小)経費+賃金助成スタッフのAI活用研修
小規模事業者持続化補助金経済産業省2/3最大200万円小規模事業者全般

出典:各制度の公募要領を基に作成(2026年5月時点)

「二重取り」の具体的な方法

同じ経費に対して複数の補助金を使うことはできません。しかし、異なる経費に対して別々の補助金を使うことは可能です。以下は具体的な組み合わせ例です。

経費使う補助金費用補助額
AI搭載見守りセンサー×20台介護ロボット導入支援事業(1/2〜3/4)200万円100〜150万円
介護記録ソフト+タブレット10台ICT導入支援事業(2/3)180万円120万円
AIシフト管理SaaSデジタル化・AI導入補助金(1/2)50万円25万円
スタッフのAI研修人材開発支援助成金(75%)20万円15万円
合計4制度併用450万円260〜310万円

この例では、本来450万円かかるAI導入が、4つの補助金を併用することで実質140〜190万円に圧縮されています。

併用の3つのルール

ルール1:同一経費の二重申請は不可

見守りセンサーの費用を「ICT導入支援事業」と「介護ロボット導入支援事業」の両方に計上することはできません。「見守りセンサーは介護ロボット導入支援事業」「介護記録ソフトはICT導入支援事業」というように、経費を明確に分けてください。

ルール2:申請先が異なるため、個別に手続きが必要

ICT導入支援事業は都道府県、介護ロボット導入支援事業は厚生労働省、IT導入補助金は経済産業省が窓口です。それぞれ個別の申請書類を作成し、個別のスケジュールで申請する必要があります。

ルール3:採択後の報告でも経費の振り分けを明確に

実績報告の段階で、「どの経費にどの補助金を使ったか」を明確に区分できる経理処理が必要です。請求書や領収書を補助金ごとに分けて管理してください。


介護施設のAI導入に使える補助金一覧|ICT導入支援事業との併用方法の図解

導入事例:特別養護老人ホームJ施設——記録業務月100時間削減の全記録

J施設の概要——「記録に追われて利用者さんと話す時間がない」

項目内容
施設種別特別養護老人ホーム
入居者数80名
従業員数50名(介護スタッフ35名・看護師5名・事務10名)
最大の課題介護記録の入力に月250時間を費やしている
離職の主因「記録業務がつらい」「利用者と向き合う時間がない」

J施設では、介護スタッフ1人あたり月7〜8時間を記録入力に費やしていました。35名のスタッフ合計で月約250時間です。この250時間は、本来であれば利用者とのコミュニケーション、リハビリの補助、レクリエーションの実施に充てるべき時間です。

管理者の声:「記録が大事なのはわかっている。でも、記録を書くために利用者さんから離れるのは本末転倒だと、スタッフ全員が感じていた。ある日、新人のスタッフが『利用者さんと話すために介護の仕事を選んだのに、パソコンの前に座っている時間のほうが長い』と言ったとき、これは変えなければと決意した。」

導入したAIツールと費用

ツール補助金費用補助額実質負担
介護記録ソフト+タブレット10台ICT導入支援事業150万円100万円50万円
AI搭載見守りセンサー×40台介護ロボット導入支援事業200万円150万円50万円
AIシフト管理SaaSデジタル化・AI導入補助金30万円15万円15万円
スタッフAI研修人材開発支援助成金15万円11万円4万円
合計4制度併用395万円276万円119万円

395万円の投資に対して、4制度を併用して276万円の補助。実質負担は119万円(約30%)です。

Before/Afterの数値比較

指標BeforeAfter改善率
月間記録時間(全スタッフ合計)250時間150時間40%削減(100時間削減)
夜勤の巡回回数/晩6回2回67%削減
シフト作成時間/月3時間30分83%削減
スタッフの残業時間/月月12時間/人月5時間/人58%削減
離職率(年間)18%10%44%改善
レクリエーション回数/月2回4回2倍
利用者との個別面談時間週1回5分週2回10分4倍

月100時間の記録時間削減は、J施設の介護の質を根本的に変えました。浮いた時間で利用者との個別の会話が増え、レクリエーションの回数も月2回→月4回に増加。利用者満足度調査のスコアも向上しました。

離職率の改善(18%→10%)は、採用コストの削減にも直結しています。介護スタッフ1名の採用コストは求人広告費・研修費を合わせて50〜100万円程度かかるため、離職率8ポイントの改善は年間数百万円のコスト削減効果があります。

現場スタッフの抵抗感——「機械は苦手」を乗り越えた3つの工夫

J施設のAI導入で最も大きかった壁は、現場スタッフのICTへの抵抗感でした。「タブレットは使い方がわからない」「音声入力なんて恥ずかしい」「今のやり方で十分」——こうした声が導入前に多数上がりました。

J施設がこの抵抗感を乗り越えるために実施した3つの工夫を紹介します。

工夫1:「1週間だけ試して」のスモールスタート

全スタッフに一斉導入するのではなく、「まずICTに前向きな5名のスタッフに1週間だけ試してもらう」アプローチを取りました。この5名が「音声入力のほうが楽」「タブレットのほうが早い」と実感し、他のスタッフに体験を共有することで、自然と導入への賛同が広がりました。ポイントは「管理者が上から導入を命じるのではなく、現場のスタッフ同士で効果を伝え合う」構造を作ったことです。

工夫2:「記録が楽になる」体験を最初に見せる

研修では、最初に「音声入力のデモ」を見せました。実際に「○○さん、昼食全量摂取」と話すだけで記録が完成する様子を目の前で見せたことで、「これなら自分でもできそう」という安心感が生まれました。「AIは難しい技術」ではなく「話すだけで記録が終わる便利な道具」として理解されたのが大きかったです。

工夫3:ICTサポート担当を1ヶ月配置する

導入後1ヶ月間は、「ICTサポート担当」として事務スタッフ1名を配置し、現場スタッフの質問に即時対応できる体制を整えました。「タブレットの操作がわからない」「音声入力がうまく認識しない」といった問題に、その場で対応できることが安心感につながりました。1ヶ月後にはほぼ全員が自力で操作できるようになり、サポート担当は通常業務に戻りました。


費用シミュレーション——3つの規模パターン

自施設に近いパターンを参考にしてください。

項目パターン1:小規模デイサービスパターン2:中規模特養パターン3:大規模複合施設
規模利用者20名・スタッフ8名入居者80名・スタッフ50名入居者200名・スタッフ120名
導入内容介護記録ソフト+タブレット3台+AIシフト記録+見守りセンサー+AIシフト+研修フルセット
費用80万円395万円1,000万円
補助金ICT導入支援事業(2/3)4制度併用5制度併用
補助額53万円276万円700万円
実質負担27万円119万円300万円
月間削減効果月15時間月100時間+夜勤巡回1/3月250時間以上
投資回収約4ヶ月約5ヶ月約3ヶ月

出典:生成AI総合研究所の支援実績を基にしたシミュレーション。実際の費用は施設種別・入居者数・既存ICT環境により変動

注目すべきは投資回収期間の短さです。介護施設のAI導入は、人件費の削減ではなく「既存スタッフの業務効率化」が目的です。スタッフの残業代の削減、離職率の改善による採用コストの削減、利用者満足度の向上による稼働率の維持——これらの効果を合算すると、投資回収は数ヶ月で完了します。


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コスト・補助金情報

補助金制度の全体像は、AI導入で使える補助金・助成金 完全ガイド【2026年最新】で体系的に解説しています。IT導入補助金の詳細はIT導入補助金でAIツールを導入する方法、人材開発支援助成金はAI研修で使える助成金ガイドをご覧ください。


導入ステップ——介護施設のAI導入は「記録の音声入力」から

Step 1:音声入力で介護記録の効率化を始める(今日から)

まずスマートフォンの音声入力機能を使って、介護記録の入力を試してください。特別なアプリは不要で、スマートフォンの標準機能(音声入力キーボード)だけで始められます。「○○さん、昼食全量摂取」と話すだけで文字が入力されます。費用はゼロです。

Step 2:ICT導入支援事業で介護記録ソフトを導入する(1〜3ヶ月)

音声入力の効果を確認したら、ICT導入支援事業を活用して介護記録ソフト+タブレットを導入します。都道府県の介護保険課が窓口です。

Step 3:見守りセンサーとシフトAIを追加する(3〜6ヶ月後)

記録のAI化が安定したら、介護ロボット導入支援事業でAI搭載の見守りセンサーを、IT導入補助金でAIシフト管理を追加導入します。段階的に導入することで、スタッフの学習負荷を分散できます。


失敗パターンと回避策

パターン1:一括導入して現場が混乱する

記録ソフト・見守りセンサー・シフトAIを同時に導入すると、スタッフの学習負荷が高くなりすぎて「何もかも中途半端」になりがちです。回避策は「記録ソフト→見守りセンサー→シフトAI」の順に段階的に導入すること。1つのツールが定着してから次を導入してください。

パターン2:現場スタッフへの説明不足で反発を招く

「上が勝手に決めた」と現場スタッフが反発し、導入したツールが使われないまま放置されるパターンです。回避策は「導入前に現場スタッフに『何のために導入するか(記録が楽になる→利用者さんとの時間が増える)』を丁寧に説明する」こと。

パターン3:利用者・ご家族への説明を怠る

見守りセンサーの導入をご家族に説明せずに進め、後日「監視されているのか」とクレームが来るパターンです。回避策は「導入前にご家族への説明と同意書の取得を必ず行う」こと。


現場から寄せられる疑問と回答

——「ICT導入支援事業とIT導入補助金は本当に併用できるのですか?」

併用可能です。ただし同一経費への二重適用はできません。「介護記録ソフトはICT導入支援事業」「シフト管理SaaSはIT導入補助金」のように、異なる経費に対して別々の制度を活用する形であれば、併用が認められます。

——「見守りセンサーを導入したら、夜勤スタッフを減らしても大丈夫ですか?」

介護保険法上の人員配置基準は遵守する必要があります。見守りセンサーで業務負荷は軽減されますが、配置基準を下回ることはできません。ただし、一部の自治体では見守りセンサーの導入を条件に夜間の人員配置基準の緩和を認めるケースがあります。

——「音声入力の精度は介護用語でも大丈夫ですか?」

介護記録に特化した音声入力ソフトは、介護用語の辞書を搭載しており、「嚥下」「褥瘡」「バイタル」「IADL」といった専門用語も正確に認識されます。

——「ICT導入支援事業の申請は難しいですか?」

ICT導入支援事業は都道府県が窓口です。申請手続きは都道府県によって異なりますが、介護ソフトのメーカーが申請サポートを行っているケースが多いため、メーカーに相談しながら進めるのが効率的です。

——「利用者やご家族への説明は必要ですか?」

見守りセンサーの導入は、利用者のプライバシーに関わるため、ご家族への説明と同意の取得を推奨します。「センサーでお体の状態を24時間見守ることで、夜間の安全を強化します」という説明をすれば、ほとんどのご家族から理解を得られます。

——「介護施設のAI導入で最も失敗しやすいパターンは?」

「一括導入して現場が混乱する」パターンが最も多い失敗です。記録ソフトの導入→定着→見守りセンサー→シフトAIの順に、段階的に導入してください。1つずつ定着させることが成功の鍵です。


まとめ:介護施設のAI導入は「記録の音声入力」から始め、補助金の「二重取り」で費用を圧縮する

介護施設のAI導入は、「利用者と向き合う時間を増やす」という本来の目的に直結する取り組みです。J施設の事例が示すように、月100時間の記録時間削減は、介護の質の向上とスタッフの定着率改善を同時に実現します。

そして、介護業界には他の業種にはない「補助金の二重取り」というアドバンテージがあります。ICT導入支援事業、介護ロボット導入支援事業、IT導入補助金、人材開発支援助成金を組み合わせれば、実質負担は導入費用の30%程度に圧縮可能です。

まず確認すべき3つのステップ:

  1. 月間の記録作業時間を計測する(スタッフ1人あたり月何時間?)
  2. スマートフォンの音声入力で介護記録を試す(特別なアプリ不要・今日から始められる)
  3. 都道府県のICT導入支援事業の公募情報を確認する(各都道府県の介護保険課に問い合わせ)

AI導入に活用できる補助金の全体像については、AI導入で使える補助金・助成金 完全ガイド【2026年最新】で詳しく解説しています。


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出典・参考:
– 厚生労働省「ICT導入支援事業」介護分野
– 厚生労働省「介護ロボット導入支援事業」公募要領
– 介護労働安定センター「介護ロボット・ICT導入効果調査」(2025年)
– 経済産業省「デジタル化・AI導入補助金」公募要領
– 生成AI総合研究所 支援実績データ(匿名加工)
※本記事の情報は2026年5月時点のものです。補助金の制度内容・申請スケジュールは変更される可能性があります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。

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