結論から言うと、AIツール(SaaS)の導入にはIT導入補助金(2026年度は「デジタル化・AI導入補助金」)、カスタムAI開発にはものづくり補助金が最適です。判断のポイントは「既製品を入れるか、自社専用のAIを作るか」で分かれます。
「IT導入補助金とものづくり補助金、どっちで申請すべきですか?」——この質問は、AI導入を検討している中小企業から生成AI総合研究所にほぼ毎回寄せられる定番の相談です。2つの制度はどちらもAI導入に使えますが、対象経費、補助額、審査の仕組み、申請負荷が大きく異なります。
間違った制度に申請すると、以下のリスクがあります。
第一に、対象外の経費が含まれている場合、審査で減額または不採択になります。第二に、より有利な制度があるのに不利な制度で申請し、補助額が本来の半分以下になるケースがあります。第三に、制度の要件に合わせて無理に計画を変更した結果、本来やりたかったAI導入と異なる内容になってしまうケースがあります。
弊社がこれまでに支援した企業を分析すると、最も多い「判断ミス」は「AI検品カメラのような設備投資をIT導入補助金で申請しようとする」パターンです。IT導入補助金はソフトウェア(SaaS)中心の制度であり、ハードウェアの補助には制限があります。
本記事では、2つの制度を7項目で徹底比較し、5つのケース別に最適な選択を示し、さらに「どちらでもない第3の選択肢」である人材開発支援助成金の活用法も解説します。
この記事でわかること
– IT導入補助金とものづくり補助金の7項目比較(表付き)
– IT導入補助金のメリット・デメリット(実例で解説)
– ものづくり補助金のメリット・デメリット(実例で解説)
– 5つのケース別の最適な制度選択
– 「迷ったらまず人材開発支援助成金」の理由
– 弊社が制度選択で実際に判断した事例(2社の比較)
– 判断フローチャートで迷いを解消
7項目で徹底比較——2つの制度の全体像
まず7項目の比較表を見てください。この1つの表で、2つの制度の構造的な違いが一目でわかります。
| 比較項目 | デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金) | ものづくり補助金 |
|---|---|---|
| ①補助額 | 5万〜450万円 | 750万〜2,500万円(従業員数で異なる) |
| ②補助率 | 1/2(賃上げ条件で最大2/3) | 1/2〜2/3(中小企業) |
| ③対象経費 | ソフトウェア(SaaS)・クラウド利用費・一部ハードウェア | 設備投資・ソフトウェア開発費・ハードウェア |
| ④審査方式 | IT導入支援事業者経由の申請(加点方式) | 事業計画書による競争審査(加点方式) |
| ⑤採択率 | 比較的高い(60〜70%程度) | 約37.5%(第22次:1,552件中582件採択) |
| ⑥申請工数 | 低〜中(IT導入支援事業者がサポート) | 高(事業計画書A4で10〜15ページ+認定支援機関の確認書) |
| ⑦実績報告 | 実績報告書(簡易) | 実績報告書(詳細)+5年間の収益報告 |
出典:中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金」「ものづくり補助金」各公募要領を基に作成(2026年5月時点)
この比較表を見て最も注目すべきは、③の対象経費と⑤の採択率の違いです。
対象経費の違いは「何に使えるか」の違いです。IT導入補助金はソフトウェア(SaaS)が中心で、ハードウェアは限定的です。ものづくり補助金は設備投資を含む幅広い経費が対象で、カメラ・サーバー・産業用PCなどのハードウェアも補助されます。
採択率の違いは「どれだけ競争的か」の違いです。IT導入補助金は比較的採択率が高く(60〜70%程度)、要件を満たしていれば採択される可能性が高いです。一方、ものづくり補助金の採択率は約37.5%(第22次公募)と競争的であり、事業計画書の質が採否を左右します。
この2点を踏まえると、「既製品のSaaSを入れたい+確実に採択されたい」→IT導入補助金、「カスタム開発や設備投資がある+上限額を確保したい」→ものづくり補助金、というシンプルな判断軸が見えてきます。
では、それぞれの制度を詳しく見ていきましょう。
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IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)の詳細——SaaS導入に最適な制度
制度概要
IT導入補助金は、2026年度から「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更されました。名称変更の背景は、政府のAI戦略が「基本的なIT導入」から「AI搭載ツールの積極的な活用」へシフトしたことです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | デジタル化・AI導入補助金(2026年度) |
| 補助率 | 1/2(賃上げ要件達成で最大2/3) |
| 補助上限額 | 最大450万円 |
| 対象 | 中小企業・小規模事業者 |
| 対象経費 | IT導入支援事業者が登録したSaaS・クラウド利用費等 |
| 申請方法 | IT導入支援事業者と連携してjGrants(電子申請)で申請 |
| GビズID | 必要(プライム) |
| 公募回数 | 年3〜5回(見込み) |
出典:中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金」公募要領を基に作成(2026年5月時点)
IT導入補助金のメリット——申請が楽で採択率が高い
第一のメリットは「IT導入支援事業者がサポートしてくれる」点です。この制度はIT導入支援事業者(ツールベンダー)を通じて申請する仕組みです。つまり、ベンダーが申請手続きの一部を代行してくれるため、企業側の申請負荷が低いです。弊社が支援した工務店(15名)のケースでは、社長自身が書類作成に費やした時間は合計で約3時間でした。
第二のメリットは「2026年度からAI搭載ツールの検索機能が追加された」点です。公式ポータルでAI機能を持つツールを絞り込み検索できるようになりました。AIチャットボット、AI-OCR、AI需要予測、AI画像認識、AI文書作成——これらのカテゴリで検索でき、ツール選定の効率が大幅に向上しました。
第三のメリットは「採択率が比較的高い」点です。ものづくり補助金の約37.5%に対して、IT導入補助金の採択率は60〜70%程度と言われています。IT導入支援事業者が申請を支援するため、書類の不備が起きにくいことが一因です。
第四のメリットは「SaaSの月額費用(クラウド利用費)が補助対象になる」点です。年間のクラウド利用費が補助されるため、「月額3万円のSaaSを2年間=72万円」のような費用構成でも申請できます。
IT導入補助金のデメリット——自由度が低い
第一のデメリットは「IT導入支援事業者が登録したツールしか対象にならない」点です。使いたいツールがIT導入支援事業者のカタログに登録されていなければ、この制度は使えません。申請前に公式ポータルで対象ツールを確認する必要があります。
弊社が支援した事例で、クライアントが導入したかったAI需要予測ツールがIT導入支援事業者に登録されていなかったケースがありました。この場合、選択肢は2つです。①登録されている類似ツールに切り替える、②ものづくり補助金に切り替える。そのクライアントは類似のAI SaaSが見つかったためIT導入補助金で申請しましたが、ツールの選択肢が制限される点は明確なデメリットです。
第二のデメリットは「ハードウェアの補助が限定的」な点です。カメラやPCなどのハードウェアは、ソフトウェアと一体で使う場合に限り一部補助対象になりますが、ハードウェア単体の投資には対応していません。AI検品カメラシステムのようにハードウェアが投資の主体になる場合は、ものづくり補助金のほうが適しています。
第三のデメリットは「上限額が450万円」な点です。500万円以上の大規模なAI投資には不十分です。ただし、弊社の経験では、中小企業のAI SaaS導入は100〜200万円の範囲に収まることがほとんどであり、上限450万円が足りないケースは稀です。
第四のデメリットは「カスタム開発(ゼロからのAI開発)は原則対象外」な点です。IT導入支援事業者が提供する既存パッケージの導入が対象であり、自社専用のAIをゼロから開発する費用は対象になりません。
ものづくり補助金の詳細——設備投資・カスタム開発に最適な制度
制度概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 |
| 補助率 | 1/2〜2/3(中小企業) |
| 補助上限額 | 750万〜2,500万円(従業員数に応じて異なる) |
| 対象 | 中小企業・小規模事業者 |
| 対象経費 | 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費等 |
| 申請方法 | jGrants(電子申請)で申請+認定支援機関の確認書 |
| GビズID | 必要(プライム) |
| 公募回数 | 年に複数回 |
出典:中小企業庁「ものづくり補助金」公募要領を基に作成(2026年5月時点)
ものづくり補助金のメリット——自由度が高くて上限額が大きい
第一のメリットは「上限額が高い」点です。従業員数に応じて750万〜2,500万円(製品高付加価値化枠)であり、数百万円規模のカスタムAI開発にも対応できます。IT導入補助金の上限450万円では足りないケースでも、ものづくり補助金なら十分にカバーできます。
第二のメリットは「ハードウェアを含む設備投資に対応」している点です。AI検品カメラ、産業用PC(GPU搭載)、AIセンサー、ロボット——これらのハードウェアが「機械装置費」として補助対象になります。AI導入においてハードウェアが投資の主体になる場合は、ものづくり補助金の一択です。
第三のメリットは「カスタムAI開発費用が対象」になる点です。ベンダーに依頼するカスタムAI開発(ソフトウェア開発費)、学習データの作成費用、システムインテグレーション費用、コンサルティング費用——これらが「システム構築費」「専門家経費」として補助対象になります。
第四のメリットは「ツール選定の自由度が高い」点です。IT導入補助金のように「IT導入支援事業者に登録されたツール」に限定されず、自社が選んだベンダー・ツールで申請できます。
弊社が支援した製造業(30名)は、AI検品システム(カメラ2台+GPU搭載PC+AIソフトウェア+導入支援で450万円)をものづくり補助金で導入しました。ハードウェアが投資の約半分を占めるため、IT導入補助金では対応しきれない内容でした。補助率2/3で300万円の補助を受け、実質負担は150万円でした。
ものづくり補助金のデメリット——申請の負荷が高い
第一のデメリットは「採択率が約37.5%」と競争的な点です。中小企業庁のデータ(第22次公募:申請1,552件中582件採択)からも明らかなとおり、申請した企業の約6割が不採択になります。不採択の場合、事業計画書の作成にかけた2〜3週間の工数が無駄になるリスクがあります。
ただし、弊社の経験では、事業計画書の質が高ければ採択率は大幅に改善します。「加点項目を最大限取りに行く」(賃上げ計画、IT・DX要素、事業継続計画等)ことで、全体の採択率37.5%よりも高い確率で採択を勝ち取ることが可能です。
第二のデメリットは「事業計画書の作成負荷が高い」点です。A4で10〜15ページの事業計画書が求められます。内容は「補助事業の具体的取組内容」「将来の展望」「会社全体の事業計画」の3部構成で、5年間の売上計画・付加価値額の伸長率の計算も必要です。作成に2〜4週間かかるのが一般的です。
第三のデメリットは「認定支援機関の確認書が必要」な点です。中小企業診断士、税理士、金融機関などの認定支援機関に事業計画書を確認してもらい、確認書を発行してもらう必要があります。この確認書の取得に1〜2週間かかります。顧問税理士が認定支援機関であれば、依頼はスムーズですが、そうでない場合は別途探す必要があります。
第四のデメリットは「事業完了後の報告義務が5年間続く」点です。ものづくり補助金は、事業完了後5年間にわたって収益状況の報告が義務づけられています。付加価値額の年率3%以上の伸長が求められ、未達の場合は補助金の一部返還のリスクがあります(実際には緩やかに運用されていますが、制度上のリスクとして認識しておく必要があります)。
ケース別の最適選択——5つのパターンで迷いを解消
ケース1:AI SaaSツールを導入する場合 → IT導入補助金
AIチャットボット(月3〜10万円)、AI-OCR(月2〜5万円)、AI需要予測SaaS(月5〜15万円)、AI契約書レビューツール(月3〜10万円)——既製品のSaaSを導入する場合は、デジタル化・AI導入補助金が最適です。
理由は3つです。IT導入支援事業者のサポートで申請が簡便、費用が450万円以内に収まることがほとんど、採択率も比較的高い。
弊社が支援した工務店(15名)は、ChatGPT APIを組み込んだ見積作成SaaS(年間ライセンス+初期設定で120万円)をIT導入補助金で導入。補助率2/3で80万円の補助を受け、実質負担40万円でした。申請にかけた時間は社長の作業時間で約3時間。IT導入支援事業者が大半の手続きをサポートしてくれました。
ケース2:カスタムAIシステムを開発する場合 → ものづくり補助金
AI画像検品システム、AI需要予測エンジン(自社データ学習型)、AI配車計画システム、AI品質管理システム——自社の業務に特化したカスタムAIを開発する場合は、ものづくり補助金が最適です。
理由は3つです。開発費用が450万円を超えることが多い、ハードウェア(カメラ、サーバー等)が補助対象になる、カスタム開発費が「システム構築費」として認められる。
弊社が支援した製造業(30名)のAI検品システム(費用450万円)がまさにこのケースです。カメラ2台+AIソフト+導入支援で450万円。ものづくり補助金の補助率2/3で300万円が補助され、実質負担150万円。月50万円のコスト削減を達成し、3ヶ月で投資を回収しました。
ケース3:AI研修を実施する場合 → 人材開発支援助成金
AI研修の場合は、IT導入補助金でもものづくり補助金でもなく、人材開発支援助成金(助成金)が最適です。
理由は3つです。研修経費の75%が助成される、賃金助成(960円/時間)も加算される、要件を満たせば原則支給(採択率の不安なし)。
弊社が支援した金属加工メーカー(25名)は、AI研修(1日6時間×2回、費用10万円)を人材開発支援助成金で実施。経費助成7.5万円+賃金助成57,600円=合計13.26万円の助成。研修費10万円を上回る助成を受け、実質負担はほぼゼロでした。
ケース4:AI SaaS+ハードウェアの組み合わせ → 制度を分ける
AI SaaS(ソフトウェア)とハードウェア(カメラ、PC等)の両方が含まれる場合は、経費を分けてそれぞれの制度に申請することを検討してください。
例えば、AI-OCRシステムの導入で「スキャナー(ハードウェア)30万円+AI-OCR SaaS(ソフトウェア)80万円」の場合、ソフトウェア部分はIT導入補助金で、ハードウェア部分は別予算で対応する——という分け方が考えられます。
ただし、制度を分ける場合は「同一経費に対する二重申請の禁止」に注意が必要です。同じ経費に対して2つの制度に申請することはできません。経費の仕分けを明確にし、申請書類にも明記してください。
ケース5:投資規模がまだ決まっていない場合 → まず助成金で研修
「AI SaaSを入れるか、カスタム開発をするか、まだ決まっていない」——この段階で補助金に申請するのは早計です。弊社が推奨するのは、まず人材開発支援助成金でAI研修を実施し、社員のAIリテラシーを向上させることです。
研修で「AIが自社の業務にどう使えるか」を実感してから、AI SaaS(IT導入補助金)かカスタム開発(ものづくり補助金)かを判断しても遅くありません。研修の実施には2〜3ヶ月、その後の制度選択と申請に2〜3ヶ月——合計4〜6ヶ月のタイムラインですが、闇雲に申請するよりも成功率が格段に高いです。
ケース別の選択表
| ケース | 最適な制度 | 費用の目安 | 採択率 | 申請工数 |
|---|---|---|---|---|
| AI SaaS導入 | デジタル化・AI導入補助金 | 50〜450万円 | 60〜70% | 低〜中 |
| カスタムAI開発 | ものづくり補助金 | 300〜2,500万円 | 約37.5% | 高 |
| AI研修 | 人材開発支援助成金 | 10〜30万円 | 原則100% | 低 |
| SaaS+ハードウェア | 制度を分ける | — | — | 中〜高 |
| まだ未定 | まず助成金で研修 | 10万円 | 原則100% | 低 |
出典:生成AI総合研究所の支援実績を基に作成
判断フロー——3つの質問で最適な制度がわかる
判断に迷った場合、以下の3つの質問に答えるだけで最適な制度が特定できます。
質問1:投資規模は450万円以下ですか?
YES → 質問2へ
NO → ものづくり補助金
質問2:ハードウェア(カメラ・サーバー等)は含まれますか?
YES → ものづくり補助金
NO → 質問3へ
質問3:導入するツールはIT導入支援事業者に登録されていますか?
YES → デジタル化・AI導入補助金
NO → ものづくり補助金(またはツールの変更を検討)
この3つの質問で判断できない場合は、「まず人材開発支援助成金でAI研修」が安全な選択です。
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コスト・補助金情報
2つの制度を含む、AI導入に活用できる補助金の全体像は、AI導入で使える補助金・助成金 完全ガイド【2026年最新】で体系的に解説しています。費用の内訳はAI導入のリアルな費用内訳を公開、資金調達の方法はAI導入の資金調達方法比較もあわせてご覧ください。
導入事例——制度選択で明暗が分かれた2社のケース
事例1:製造業30名——ものづくり補助金で450万円のAI検品システム
この企業はAI検品カメラシステム(費用450万円)の導入を計画していました。投資内容の内訳は以下のとおりです。
| 費用項目 | 金額 | 性質 |
|---|---|---|
| 産業用カメラ×2台+高輝度LED照明 | 180万円 | ハードウェア |
| AIソフトウェア(ライセンス+カスタマイズ) | 200万円 | ソフトウェア |
| 導入支援(設置工事+テスト稼働) | 70万円 | インテグレーション |
| 合計 | 450万円 |
ハードウェアが180万円(全体の40%)を占めるため、IT導入補助金ではハードウェア部分が補助対象外になる可能性がありました。弊社はものづくり補助金を推奨し、全額が補助対象となる形で申請。補助率2/3で300万円の補助を取得しました。
結果:不良率3.2%→0.8%(75%改善)、月50万円のコスト削減、投資回収期間3ヶ月。
社長の声:「最初はIT導入補助金で申請しようとしたが、コンサルタントに『ものづくりのほうが有利』と教えてもらった。結果的に補助額が100万円以上多くなった。制度の選び方でこれだけ差が出るとは思わなかった。」
事例2:工務店15名——IT導入補助金で120万円の見積AI化
この企業はChatGPT APIを活用した見積作成SaaS(費用120万円)を計画していました。
| 費用項目 | 金額 | 性質 |
|---|---|---|
| AI見積SaaS(年間ライセンス) | 12万円/年 | ソフトウェア |
| 初期設定・カスタマイズ・API連携 | 50万円 | ソフトウェア |
| 研修・運用支援(3ヶ月間) | 58万円 | サービス |
| 合計 | 120万円 |
全額がソフトウェアまたはサービスであり、ハードウェアは含まれていません。費用も450万円以内。弊社はIT導入補助金を推奨しました。
ものづくり補助金で申請することも不可能ではありませんでしたが、120万円の投資に対して事業計画書(A4で10〜15ページ)を書くのは費用対効果が悪いと判断しました。IT導入補助金であれば、IT導入支援事業者がサポートしてくれるため、申請の負荷が大幅に低くなります。
結果:見積作成45分→15分(67%短縮)、メール対応70%削減、月61時間以上の業務改善、ROI 1,800%。
社長の声:「IT導入補助金はベンダーさんが申請を手伝ってくれたので、自分でやったのは署名くらい。ものづくり補助金だと計画書を自分で書かなきゃいけないと聞いて、IT導入補助金にしてよかったと思った。」
失敗パターンと回避策——制度選択でよくある間違い
パターン1:ハードウェア投資をIT導入補助金で申請する
AI検品カメラ(150万円)+AIソフト(100万円)の投資で、IT導入補助金に申請しようとしたケース。ハードウェアが投資の6割を占めるため、ソフトウェア部分の100万円しか補助対象にならない可能性がありました。ものづくり補助金に切り替えて、全額を補助対象にすべきでした。
パターン2:小規模なSaaS導入をものづくり補助金で申請する
月3万円のAI SaaS(年間36万円)を導入するために、ものづくり補助金の事業計画書(A4で10〜15ページ)を作成しようとしたケース。36万円の投資に2〜3週間の計画書作成は費用対効果が悪すぎます。IT導入補助金で簡便に申請するか、そもそも補助金なしで自費導入すべきケースです。
パターン3:両方の制度に同じ内容で申請する
「どっちか採択されればいい」と、IT導入補助金とものづくり補助金の両方に同じ内容で申請しようとしたケース。同一経費に対する二重申請は禁止されています。仮に両方採択されたとしても、一方を辞退しなければなりません。制度は1つに絞って集中するのが正しいアプローチです。
パターン4:制度選択に時間をかけすぎる
「どちらの制度が有利か」を3ヶ月間検討し続けた結果、両方の公募期限が過ぎてしまったケース。制度の選択は重要ですが、本記事の判断フロー(3つの質問)で5分で判断できます。判断に迷ったら、まず人材開発支援助成金でAI研修を実施してください。公募期限に縛られず、通年申請可能です。
導入ステップ——制度選択から申請までの流れ
Step 1:本記事の判断フロー(3つの質問)で制度を特定する(今日)
質問1(投資規模は450万円以下か?)→質問2(ハードウェアは含まれるか?)→質問3(IT導入支援事業者に登録されたツールか?)——この3問で制度が特定できます。
Step 2:GビズIDプライムを取得する(並行して)
どちらの制度でも、電子申請にはGビズIDプライムが必要です。取得に2〜3週間かかるため、制度選択と並行して早めに取得してください。
Step 3(IT導入補助金の場合):IT導入支援事業者にコンタクトする
公式ポータルでAI搭載ツールを検索し、候補を3〜5社に絞ります。各IT導入支援事業者にコンタクトしてデモと見積もりを依頼してください。
Step 3(ものづくり補助金の場合):事業計画書の作成を開始する
事業計画書の骨子(課題→解決策→導入効果→数値計画)を作成します。認定支援機関への相談も早めに開始してください。
読者の疑問に答える——制度選びの現場の声
——「2つの制度を併用することはできますか?」
同じ経費に対する併用はできません。ただし、異なる経費に対してであれば可能です。例えば「AI SaaS(IT導入補助金)」+「AI検品カメラ(ものづくり補助金)」のように、別の経費に対してそれぞれ申請することは認められています。
——「ChatGPTはIT導入補助金の対象ですか?」
ChatGPT Plus(OpenAIのサブスクリプション)単体は、2026年5月時点でIT導入補助金の対象外です。ただし、ChatGPT APIを組み込んだSaaS(IT導入支援事業者が登録しているツール)は対象になります。
——「ものづくり補助金の採択率が37.5%で不安です。落ちた場合は?」
3つの選択肢があります。①次の公募で再申請する(計画書をブラッシュアップ)、②IT導入補助金に切り替える(投資規模を縮小してSaaS導入に変更)、③補助金なしで自費導入する(ROIが6ヶ月以内で黒字化するなら合理的)。
——「両方に申請して、先に採択されたほうを使う戦略はありですか?」
推奨しません。両方の計画書を並行して作成する負荷が大きく、同一経費の二重申請は禁止されています。制度は1つに絞って集中してください。
——「IT導入補助金で申請したいが、使いたいツールが登録されていない場合は?」
3つの選択肢があります。①IT導入支援事業者のカタログで類似ツールを探す、②ツールのベンダーにIT導入支援事業者としての登録を依頼する(時間がかかる場合あり)、③ものづくり補助金に切り替える。
まとめ:「何を入れるか」で制度は決まる
IT導入補助金とものづくり補助金の選択は、シンプルに「何を入れるか」で決まります。
既製品のAI SaaS → IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)
カスタムAI開発・設備投資 → ものづくり補助金
AI研修 → 人材開発支援助成金
迷ったら → まず人材開発支援助成金で研修
今日やるべきことは2つです。
- 判断フロー(3つの質問)で最適な制度を特定する
- GビズIDプライムの取得を申請する(2〜3週間かかるため早めに)
各制度の詳細は、AI導入で使える補助金・助成金 完全ガイド【2026年最新】をご覧ください。
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出典・参考:
– 中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金」公募要領(2026年度)
– 中小企業庁「ものづくり補助金」公募要領・第22次採択結果(申請1,552件中582件採択、採択率37.5%)
– 厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」制度概要
– 生成AI総合研究所 支援実績データ(匿名加工)
※本記事の情報は2026年5月時点のものです。制度の内容は年度・公募回により変更される場合があります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。
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