「AIってプログラミングができないと使えないんでしょう?」——これは弊社の研修で最も多い質問です。答えは「ノー」です。
AIを使いこなすのにプログラミングスキルは一切不要です。必要なのは「AIへの指示の出し方(プロンプト)」だけ。プロンプトは日本語で書く「お仕事の依頼文」であり、メールが書ける人であれば誰でも書けます。
弊社は不動産仲介(従業員35名)の営業事務チーム8名に14日間のAIプログラムを実施しました。全員非エンジニア、平均年齢42歳、「Excelすら苦手」というメンバーもいました。結果は、8名中7名が「業務に毎日使う」レベルに到達。物件情報の手入力は月29時間→8時間(72%削減)、顧客対応メール作成は月12時間→3時間(75%削減)に改善しました。
この記事でわかること
– プロンプトの6つの基本原則
– 業務別プロンプト20個(メール/報告書/会議準備/営業/分析)
– 14日間の自習カリキュラム(1日15分)
– GPTs/Gemini Gemsを使った定型業務の自動化方法
– 非エンジニアの「つまずきTOP5」と回避法
【結論】プログラミング不要。「指示の出し方」で業務時間は7割削減できる
研修のBefore/After
| 指標 | 研修前 | 研修後 | 改善率 |
|---|---|---|---|
| 物件情報入力 | 月29時間/人 | 月8時間/人 | 72%削減 |
| メール作成 | 月12時間/人 | 月3時間/人 | 75%削減 |
| AI利用率 | 0% | 87.5%(7/8名) | — |
| 1日のAI利用時間 | 0分 | 平均45分 | — |
出典:生成AI総合研究所の不動産仲介チーム研修実績(8名、14日間プログラム)
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Step1:プロンプト基礎(Day1〜3)
6つの基本原則
プロンプトの品質は以下の6つの原則で決まります。
原則1:役割を与える。「あなたは不動産営業のベテランです」のように、AIに役割を設定することで、回答の専門性と一貫性が向上します。
原則2:ゴールを明確にする。「メールを書いてください」ではなく「来週の内見予約の確認メールを書いてください」のように、具体的なゴールを指定します。
原則3:背景情報を提供する。「お客様は30代夫婦、予算4,000万円、子ども1人、駅徒歩10分以内希望」のように、判断に必要な情報をAIに与えます。
原則4:出力形式を指定する。「箇条書きで」「表形式で」「300字以内で」など、出力の形式を指定することで、意図した形のアウトプットが得られます。
原則5:例を示す。「以下のような文体で書いてください:(例文)」のように、お手本を示すことでAIの出力品質が劇的に向上します。
原則6:タスクを分割する。複雑な依頼は1つのプロンプトで済ませず、ステップに分割します。「まず構成案を作ってください」→「次に本文を書いてください」のように段階を踏みます。
Day1〜3の実践
Day1:ChatGPTの基本操作(アカウント作成、画面の使い方、基本的な質問の仕方)。
Day2:6つの原則を使って「自分の業務のメール」をAIに書かせてみる。
Day3:「うまくいかなかったプロンプト」を修正する練習。原則のどれが不足していたかを分析する。

Step2:業務適用(Day4〜8)
業務別プロンプト集20個
以下に5つの業務カテゴリ×4個=20個のプロンプトテンプレートを紹介します。
メール業務
- 内見予約の確認メール
- 契約条件の確認メール
- クレーム対応の初動メール
- 紹介お礼メール
報告書・ドキュメント
- 週次営業報告書
- 物件査定レポート
- 顧客対応記録
- 会議議事録の要約
会議準備
- アジェンダの作成
- 事前配布資料の要点整理
- 想定質問リスト
- 会議後のアクションアイテム整理
営業・提案
- 物件紹介文(ポータルサイト向け)
- 顧客ニーズに合わせた物件提案
- 競合物件との比較分析
- 契約書のチェックポイント整理
データ分析
- 営業データの傾向分析
- 顧客属性の分析
- エリア別の成約率比較
- KPI進捗の可視化
弊社の研修では、これらのプロンプトを「不動産営業向け」にカスタマイズして配布しました。汎用的な研修資料ではなく「自分の仕事そのもの」が変わる体験が、定着率を大きく高めるポイントです。
Step3:自動化構築(Day9〜14)
GPTs(ChatGPT)で定型業務を自動化
GPTs(旧Custom GPTs)は、ChatGPTの中に「特定の業務に特化したAIアシスタント」を作れる機能です。プログラミング不要で、日本語で設定するだけで作成できます。
たとえば「物件紹介文生成GPT」を作れば、物件の基本情報(住所、間取り、面積、価格)を入力するだけで、ポータルサイト向けの紹介文が自動生成されます。毎回プロンプトを書く必要がなく、定型化された入力だけで完了します。
Gemini Gemsで専用アシスタントを構築
Google GeminiのGems機能も同様に、特定の業務に特化したAIアシスタントを作成できます。Google Workspace(Gmail、Google Docs、Google Sheets等)との連携がスムーズなのが強みです。
自動化の注意点
「自動化=すべて任せる」ではありません。AIが生成した出力は必ず人間が確認してから使用してください。特に顧客対応のメールや契約関連のドキュメントは、AI生成のまま送信するのはリスクがあります。
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14日間プログラムの設計
| 日程 | テーマ | 所要時間 | 内容 |
|---|---|---|---|
| Day1 | 基本操作 | 15分 | ChatGPTアカウント作成・基本的な質問 |
| Day2 | プロンプト基礎 | 15分 | 6原則の理解・メール作成の実践 |
| Day3 | プロンプト改善 | 15分 | うまくいかないプロンプトの修正 |
| Day4 | メール業務 | 15分 | プロンプト集1-4の実践 |
| Day5 | 報告書作成 | 15分 | プロンプト集5-8の実践 |
| Day6 | 会議準備 | 15分 | プロンプト集9-12の実践 |
| Day7 | 営業・提案 | 15分 | プロンプト集13-16の実践 |
| Day8 | データ分析 | 15分 | プロンプト集17-20の実践 |
| Day9 | GPTs入門 | 20分 | GPTsの作成方法 |
| Day10 | GPTs実践 | 20分 | 自分専用GPTの作成 |
| Day11 | 応用テクニック | 15分 | 画像・PDF読み取り |
| Day12 | 応用テクニック | 15分 | 表計算データの分析 |
| Day13 | 総合演習 | 20分 | 自分の1日の業務をAIで効率化する設計 |
| Day14 | 振り返り | 15分 | 2週間の成果整理・今後の活用計画 |
「AIに聞いてはいけないこと」チェックリスト
- 顧客の個人情報(氏名、住所、電話番号等)
- 社内の機密情報(売上データ、未公開の戦略等)
- 法的判断(契約の有効性、法令の解釈等)
- 医療・健康に関する診断
- 100%の正確性が求められる数値計算
AIツールに入力したデータは、ツールの利用規約に基づいて扱われます。特にChatGPTの無料プランでは入力データが学習に使用される可能性があるため、機密情報の入力は避けてください。ChatGPT Teamプラン以上では学習に使用されません。
非エンジニアの「つまずきTOP5」と回避法
弊社が100名以上の非エンジニアにAI研修を実施した経験から、よくあるつまずきとその回避法をまとめました。
つまずき1:「AIに何を聞いていいか分からない」
回避法:「今日の業務で、一番面倒だった作業は何ですか?」と自分に問いかける。その作業をAIに任せてみることから始める。
つまずき2:「思った通りの回答が返ってこない」
回避法:6つの基本原則のどれが不足しているかを確認する。特に「背景情報」と「出力形式」の指定が抜けていることが多い。
つまずき3:「AIに仕事を奪われる不安」
回避法:弊社の研修で50代の営業事務の方が研修参加を拒否した事例がありました。1on1で「AIはあなたの仕事を楽にする道具」と実演したところ、態度が一変し、最終的にはチーム内で一番活用するようになりました。恐怖心の払拭が最大のハードルです。
つまずき4:「プロンプトを毎回考えるのが面倒」
回避法:よく使うプロンプトをテンプレート化し、コピペで使えるようにする。さらにGPTsで自動化すれば、プロンプトすら書かなくてよくなる。
つまずき5:「続かない」
回避法:「1日15分」の習慣化が鍵。14日間プログラムは1日15分で設計しており、通勤電車の中でもできる量です。
よくある質問(FAQ)
Q1. ChatGPTとGemini、どちらを使えばいいですか?
業務の内容で選ぶのが最適です。文章作成・要約はChatGPTが得意、Google Workspaceとの連携はGeminiが便利です。まずはChatGPTから始め、慣れてからGeminiも試すことを推奨します。
Q2. 14日間プログラムは業務時間中に実施すべきですか?
1日15分であれば業務時間中でも実施可能です。ただし上司の理解が必要なので、「AI研修を14日間実施します。1日15分です」と事前に承認を得ておくことを推奨します。
Q3. 60代の社員でも大丈夫ですか?
大丈夫です。弊社の研修では60代の方も含めて、ほぼ全員がChatGPTを業務に活用できるレベルに到達しています。個別のフォローが必要な場合もありますが、「自分の業務が楽になる」体験ができれば年齢は関係ありません。
まとめ:1日15分×14日で「AIが使える人」になれる
非エンジニアがAIを使いこなすのに必要なのは、プログラミングスキルではなく「指示の出し方(プロンプト)」です。14日間のプログラムで、業務時間の7割を削減できるスキルが身につきます。
今日やるべきことは1つ。ChatGPTにアクセスし、「今日の業務で一番面倒だったこと」をAIに相談してみてください。その回答に驚くはずです。
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出典・参考:
– 生成AI総合研究所 不動産仲介チーム研修実績
※本記事の情報は2026年5月時点のものです。
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