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Make(旧Integromat)×AI業務自動化|月2,800円で月30時間を取り戻すテンプレート5選と構築ガイド

2026.06.25 1分で読めます 生成AI総合研究所編集部
最終更新: 2026年5月27日

Make(旧Integromat)とChatGPT APIを組み合わせることで、月額約2,800円の投資で月30時間の業務工数を削減できます。テンプレートを使えば、構築は1件あたり約30分で完了します。

「日々のメール対応、フォームからの問い合わせ整理、請求書のデータ入力——こうした繰り返し作業が積み重なって、気がつけば1日の半分が事務処理で埋まっている」。中小企業の現場で、こうした声を聞かない日はありません。

中小企業基盤整備機構「中小企業のAI導入・活用状況調査」(2026年3月)によると、中小企業のAI導入率は20.4%にとどまり、導入検討中が18.6%と報告されています。導入が進まない最大の理由は「何から手をつけていいかわからない」という声です。生成AI総合研究所が支援してきた企業の中でも、「AIが便利なのはわかるけど、うちにはエンジニアがいないし」と尻込みするケースは少なくありません。

本記事では、プログラミング不要のノーコード自動化ツール「Make」とChatGPT APIを組み合わせた5つの業務自動化テンプレートを公開します。建設業8名・設備会社12名の実環境で1ヶ月間運用し、効果を検証した実績データも含めてお伝えします。

この記事でわかること
– Make×ChatGPT APIで自動化できる業務と5つのテンプレート構成
– 各テンプレートの構築手順とハマりやすいポイント
– 実運用データ(削減時間・精度・コスト)
– 料金プランの比較と費用シミュレーション
– 導入ステップと失敗しがちなパターンの回避法

「自社に合った自動化の進め方を一緒に整理したい」という方は、生成AI総合研究所の無料相談をご活用ください。現状の業務フローをヒアリングし、最適な自動化プランを30分でご提案します。


目次

  1. Make×ChatGPT APIでできること——業務自動化の全体像
  2. Make×ChatGPT API連携の準備——最初のハードルを越える
  3. テンプレート① メール→AI要約→Slack通知——月8時間の削減効果
  4. テンプレート② フォーム→AI分類→CRM自動登録——月6時間の削減効果
  5. テンプレート③ 請求書PDF→AIによるデータ抽出——月5時間の削減効果
  6. テンプレート④ 日報→週報AI生成——月6時間の削減効果
  7. テンプレート⑤ X(旧Twitter)自動投稿——月5時間の削減効果
  8. 料金とコストシミュレーション——月2,800円は「何に対する投資か」
  9. 導入事例——設備会社(従業員12名)の全体像
  10. 導入ステップ——テンプレート①から始めるのが正解
  11. 失敗しがちなパターンと回避法
  12. 導入を検討する担当者がぶつかる疑問
  13. まとめ——「月2,800円で月30時間」を取り戻す最初の一歩

Make×ChatGPT APIでできること——業務自動化の全体像

Make(旧Integromat)は、異なるWebサービス同士を「つなぐ」ノーコード自動化プラットフォームです。Gmail、Googleスプレッドシート、Slack、Salesforceなど1,000以上のサービスと接続でき、「Aが起きたらBを実行する」というワークフロー(Makeでは「シナリオ」と呼びます)をドラッグ&ドロップで構築できます。

ここにChatGPT APIを組み合わせると、単純な転記や通知にとどまらない「判断を伴う自動化」が実現します。たとえば「メールが届いたらAIが内容を要約してSlackに通知する」「問い合わせフォームの内容をAIが分類してCRMに自動登録する」といった処理が、プログラミングなしで構築可能になります。

生成AI総合研究所では、2025年末から建設業(従業員8名)と設備会社(従業員12名)の2社で、5つの自動化テンプレートを実環境で運用してきました。その結果をまとめたのが以下の表です。

テンプレート名称 主な処理内容 月間削減時間 構築難易度
メール→AI要約→Slack通知 受信メールをAIが3行に要約 8時間 ★☆☆
フォーム→AI分類→CRM登録 問い合わせ内容をAIが4段階に分類 6時間 ★★☆
請求書PDF→データ抽出 請求書画像からAIがデータを読み取り 5時間 ★★☆
日報→週報AI生成 5日分の日報をAIが週報に再構成 6時間 ★★☆
X(SNS)自動投稿 投稿原稿をAIがSNS向けにリライト 5時間 ★☆☆
合計 30時間

出典:生成AI総合研究所の支援先2社(建設業8名・設備会社12名)の実運用データを基に作成(2026年5月時点)

5つのテンプレート合計で月30時間の工数削減を達成しました。月間のエラー率は1.2%(約1,500回の実行のうちエラーは約18件)で、ほぼ安定稼働しています。コストはMake Proプラン($9/月)とChatGPT APIの利用料(約$10/月)を合わせて月額約2,800円です。

注目すべきは、この5つのテンプレートが「特別な技術を持つ担当者」ではなく、普段ExcelやGmailを使っている一般的な事務スタッフによって運用されている点です。ノーコードツールであるMakeの強みは、「構築した人以外でも運用を引き継げる」ところにあります。

ただし、率直にお伝えしておきたいことがあります。テンプレートのインポート自体は確かに30分で完了します。しかし「テンプレートを自社の環境に合わせる」微調整——APIキーの取得、Gmailの権限設定、Slackのトークン発行——には、初回に限り半日ほど時間がかかります。この「テンプレートに書いていない前提知識」でハマるポイントについても、本記事では包み隠さずお伝えします。


Make×ChatGPT API連携の準備——最初のハードルを越える

Makeのシナリオを動かすための前準備は、大きく3つのステップに分かれます。一つずつ、ハマりやすいポイントも含めて解説します。

ステップ1:Makeアカウントの作成とプラン選択

Make公式サイト(make.com)にアクセスし、GoogleアカウントまたはEメールで無料アカウントを作成します。所要時間は3分程度です。

無料プランでもシナリオの構築と実行は可能ですが、月間の実行回数が1,000回、シナリオ数が2つまでという制限があります。テンプレート1つを試す分には十分ですが、5つのテンプレートを本格運用するにはProプラン($9/月・約1,350円)へのアップグレードが必要です。Proプランでは月間実行回数が10,000回に拡大し、シナリオ数も無制限になります。

生成AI総合研究所では、まず無料プランでテンプレート1つを試し、効果を確認してからProプランに切り替えるアプローチを推奨しています。「いきなり課金する」のではなく、「動くことを確認してから投資する」のが失敗しない順番です。

ステップ2:ChatGPT APIキーの取得

OpenAIのプラットフォーム(platform.openai.com)にアクセスし、APIキーを発行します。「Create new secret key」のボタンを押すだけで、30秒で発行されます。

ここで多くの方がハマるのが、APIキーだけでは動かないという点です。OpenAI APIの利用にはクレジットカードの登録と事前チャージ(最低$5)が必要です。「APIキーを作ったのにMakeで動かない」という問い合わせのほとんどが、このクレジットチャージの未設定によるものです。

もう一つ注意すべき点があります。発行されたAPIキーは、画面を閉じると二度と表示されません。発行直後にパスワードマネージャーやメモアプリに保存しておく必要があります。キーを紛失した場合は、古いキーを削除して新しく発行し直すことになります。

ステップ3:MakeとChatGPT APIの接続設定

Makeのダッシュボードで「新しいシナリオ」を作成し、「OpenAI」モジュールを追加します。APIキーを入力して接続テストを実行すれば、準備は完了です。

この段階でハマりやすいのが、Gmailとの連携時の権限設定です。個人のGmailアカウントであれば問題なく接続できますが、Google Workspace(法人版Gmail)の場合、管理者権限でOAuth同意画面を設定する必要があります。IT部門や管理者への事前確認が必要になるケースが多いため、構築を始める前に「Makeというツールを社内のGmailと連携させたい」と伝えておくとスムーズです。

同様に、Slackとの連携でもワークスペースの管理者権限が必要です。Slackの管理者に「Makeからの投稿を許可するアプリ」を承認してもらう手続きが発生します。

こうした前準備は初回のみの作業であり、一度設定すれば以降は不要です。生成AI総合研究所の支援先では、この前準備に半日(約4時間)を見込んでいます。半日の初期投資で、その後は毎月30時間の業務時間が戻ってくる計算です。


Make(旧Integromat)×AI業務自動化|月2,800円で月30時間を取り戻すテンプレート5選と構築ガイドの図解

テンプレート① メール→AI要約→Slack通知——月8時間の削減効果

最初のテンプレートは、5つの中で最も構築が簡単で、効果も大きいものです。受信メールの内容をChatGPT APIが3行に要約し、Slackの指定チャンネルに自動投稿します。

なぜメール要約から始めるのか

建設業の現場所長は、弊社のヒアリングでこう話していました。「朝出社してメールを開くと未読が30件。全部読むのに30分かかる。しかも半分以上は自分に直接関係ない情報共有メール。でも見落とすと怒られるから、全部目を通さないといけない」。

この「全部読まないと不安」という心理的負荷を、AIが代わりに引き受けるのがこのテンプレートの本質です。AIが3行に要約してくれるので、Slackのチャンネルで要約だけをスクロールし、「対応が必要」と判断されたメールだけ原文を開く運用に変わります。

シナリオの構成

このテンプレートは4つのモジュールで構成されています。

1つ目はGmailの「新着メール監視(Watch Emails)」モジュールです。新しいメールが届くたびにシナリオが起動します。2つ目はフィルターモジュールで、件名や差出人に応じて処理対象を絞り込みます。広告メールや自動通知をフィルタリングすることで、APIの無駄な消費を防ぎます。3つ目がOpenAIの「チャット補完(Create a Completion)」モジュールで、メール本文をAIに渡して要約を生成します。4つ目はSlackの「メッセージ投稿(Send a Message)」モジュールで、要約結果を指定チャンネルに投稿します。

AIへの指示(プロンプト)は以下のように設定しています。

「以下のメールを3行で要約してください。要点、対応の要否(はい/いいえ)、期限(あれば)の3項目で出力してください。」

このプロンプトで重要なのは「対応の要否」を出力させている点です。情報共有メールは「対応不要」とAIが判断してくれるため、Slackを流し読みするだけで「今すぐ動くべきメール」だけを拾えるようになります。

実運用データ

指標 導入前 導入後
メール確認にかかる時間(1日あたり) 30分 5分
月間のメール処理時間 約10時間 約2時間
月間削減時間 8時間
AI要約の精度(5段階評価) 4.0
月間処理件数 約200件
メール受信からSlack通知までの時間 約30秒

出典:生成AI総合研究所の支援先・建設業(従業員8名)の実運用データ

建設業の所長は導入2週間後にこう話していました。「朝の30分が5分になった。正直、最初は『要約を信用していいのか』と不安だったが、2週間で1件も見落としはなかった。むしろ自分が原文を読んでいたときより、対応漏れが減った」。

この「最初は不安だが、使ってみると手放せなくなる」という反応は、他のテンプレートでも共通しています。

ハマりポイントと対処法

構築時に最も多いトラブルは、Gmailのフィルター設定の漏れです。フィルターを設定しないと、広告メールや自動通知メールもすべてAIに送られ、APIの消費量が跳ね上がります。「差出人が社内ドメインのメールのみ処理する」「件名に特定のキーワードが含まれるメールのみ処理する」といったフィルターを最初に設定しておくことが重要です。


テンプレート② フォーム→AI分類→CRM自動登録——月6時間の削減効果

2つ目のテンプレートは、Googleフォームから送信された問い合わせ内容をChatGPT APIが自動分類し、分類結果とともにCRM(顧客管理システム)に自動登録するものです。

自動分類がもたらす営業効率の変化

設備会社のケースを紹介します。この会社では月に約50件の問い合わせがWebフォームから届きます。導入前は、営業担当者が全件を目視で確認し、「これは見積もり依頼だ」「これは資料請求だ」「これはクレームだ」と1件ずつ判断してCRMに入力していました。この作業に月10時間以上が費やされていたのですが、最大の問題は「時間がかかること」ではなく「対応の遅れ」でした。

問い合わせが届いてから営業担当者が確認するまでに平均4時間のタイムラグがあり、見積もり依頼(ホットリード)を翌日まで放置してしまうケースも発生していました。見込み客が「すぐに返事がこないなら別の会社に頼もう」と離脱するリスクは、数字にしにくいものの、実感として大きかったといいます。

AIによる自動分類を導入した結果、問い合わせ送信から分類・CRM登録までの時間は即座(約2分以内)に短縮されました。特にホットリード(見積もり依頼)については、分類と同時にSlackで営業チームに通知が飛ぶため、即日対応率が60%から95%に向上しました。

AI分類のプロンプト設計

このテンプレートでは、AIに以下の4段階で分類させています。

A:見積もり依頼(ホットリード)→ 即日対応が必要

B:資料請求(ウォームリード)→ 翌営業日までに対応

C:一般問い合わせ(コールドリード)→ 週次で対応

D:クレーム・苦情 → 即日対応かつ管理者に通知

プロンプトの工夫として、「分類カテゴリの定義」を具体的に記述している点があります。「ホットリード」「ウォームリード」という抽象的なラベルだけではAIの判断精度が安定しません。「具体的な金額や数量に言及しているものはA」「製品カタログや事例集を求めているものはB」といった判断基準をプロンプトに含めることで、分類精度が75%から90%に向上しました。

実運用データ

指標 導入前 導入後
問い合わせの分類時間(月間) 10時間 約4時間(確認作業のみ)
ホットリードの即日対応率 60% 95%
AI分類の精度 90%
月間処理件数 50件 50件
月間削減時間 6時間

出典:生成AI総合研究所の支援先・設備会社(従業員12名)の実運用データ

分類精度の90%という数字は「10件中1件はAIが誤分類する」ことを意味します。このため、営業担当者にはCRM上で「AIの分類結果を確認してから対応する」運用を徹底しています。完全自動化ではなく「AIが下書き、人間が確認」という役割分担です。


テンプレート③ 請求書PDF→AIによるデータ抽出——月5時間の削減効果

3つ目のテンプレートは、Googleドライブにアップロードされた請求書PDFからChatGPT Vision APIが必要なデータ(取引先名、日付、金額、品目)を読み取り、Googleスプレッドシートに自動記録するものです。

紙の請求書処理が消える日はまだ来ていない——だが「8割自動化」はできる

中小企業の経理担当者にとって、請求書の処理は毎月繰り返される定型作業です。取引先から届くPDFの請求書を1枚ずつ開き、金額・日付・品目を手入力でスプレッドシートや会計ソフトに転記する。この作業が月100件を超える企業では、月8時間以上が請求書の入力だけに費やされています。

ChatGPT Vision APIを使えば、PDFを画像に変換してAIに送ることで、請求書の記載内容をテキストデータとして抽出できます。ただし、率直に数字をお伝えすると、抽出精度は88%です。専用のAI-OCR(光学文字認識)サービスであれば96%前後の精度が出ますが、そうしたサービスの月額は3〜10万円が相場です。

月2,800円という低コストで88%の精度が得られる点が、Make×ChatGPT APIの組み合わせの優位性です。「完璧ではないが、手入力の8割を肩代わりしてくれる」という位置づけで導入するのが正しい期待値です。

抽出精度を上げるための工夫

実運用の中で、抽出精度に影響する要因が3つ見えてきました。

1つ目は請求書のフォーマットです。レイアウトが統一されている取引先の請求書は精度95%近くまで上がりますが、手書きの請求書やレイアウトが複雑なものは精度が70%台に落ちます。2つ目は画像解像度です。PDFから画像に変換する際の解像度が低いと、小さな文字を誤認識します。CloudConvertの変換設定で300dpi以上を指定することで改善しました。3つ目はプロンプトの具体性です。「請求書の内容を読み取ってください」ではなく、「以下の項目を抽出してください:取引先名、請求日、支払期限、合計金額(税込)、主要品目」と具体的に指示することで精度が向上しました。

実運用データ

指標 導入前 導入後
請求書入力時間(月間) 8時間 3時間(確認・修正のみ)
月間処理件数 約100件 約100件
AI抽出精度 88%
月間削減時間 5時間

出典:生成AI総合研究所の支援先2社の実運用データを基に作成

88%の精度は「100件中12件は何らかの修正が必要」ということです。経理上のミスは許されないため、AIが抽出したデータは必ず人間が目視確認するフローにしています。それでも、「ゼロから手入力する」のと「AIの出力を確認する」のでは、後者の方が圧倒的に速く、かつ見落としも減ります。

AI-OCRの精度や他ツールとの比較については、AIツール比較ガイドで詳しく解説しています。


テンプレート④ 日報→週報AI生成——月6時間の削減効果

4つ目のテンプレートは、Googleスプレッドシートに入力された月曜〜金曜の日報データを取得し、ChatGPT APIが週報に再構成するものです。生成された週報はGoogleドキュメントとして自動作成され、Slackで共有されます。

「週報を書く金曜の夕方」がなくなる

建設業の現場では、スタッフが毎日の作業内容をスプレッドシートに日報として入力しています。これを毎週金曜日に管理者が週報としてまとめ直す作業が発生していました。8名のスタッフの日報を読み、要約し、全体の進捗として再構成する——この作業に1人あたり30分、チーム全体で毎週4時間が消えていました。

AIによる週報自動生成では、金曜日の17時にシナリオが自動起動し、月〜金の日報データをまとめてChatGPT APIに送ります。AIは「今週の主要成果」「来週への引き継ぎ事項」「課題・リスク」の3セクションに分けて週報を生成します。管理者はAIが生成した週報を確認し、必要に応じて一言コメントを加えるだけです。

プロンプトの設計ポイント

週報AIの精度を左右するのは、プロンプトで「出力フォーマット」を厳密に指定しているかどうかです。「週報を作って」という曖昧な指示だと、AIは毎回異なるフォーマットで出力してしまいます。「以下のフォーマットで出力してください。1.今週の成果(箇条書き3〜5項目) 2.来週の計画(箇条書き3〜5項目) 3.課題・リスク(あれば)」と具体的に指示することで、出力の安定性が格段に上がりました。

もう一つの工夫は、「重複する日報内容を統合する」という指示を加えることです。日報では「○○現場の進捗確認」という記載が月〜金で5回出てくることがありますが、週報では「○○現場:今週は△△まで進捗。来週□□を予定」と統合されるべきです。「同じ業務に関する記載は統合し、進捗として1文にまとめてください」という指示を加えるだけで、読みやすい週報が生成されるようになりました。

実運用データ

指標 導入前 導入後
週報作成時間(1人あたり) 30分 5分(確認のみ)
チーム全体(8名)の週次工数 4時間 40分
月間削減時間 約6時間

出典:生成AI総合研究所の支援先・建設業(従業員8名)の実運用データ


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テンプレート⑤ X(旧Twitter)自動投稿——月5時間の削減効果

5つ目のテンプレートは、Googleスプレッドシートに入力した投稿原稿を、ChatGPT APIがSNS向けの文体にリライトし、X(旧Twitter)に自動投稿するものです。毎日9時・12時・18時の3回、スケジュールに基づいてシナリオが起動します。

SNS運用の「続かない問題」を仕組みで解決する

中小企業のSNS運用で最も多い課題は「始めたはいいが、続かない」です。最初の1ヶ月は毎日投稿していたのに、業務が忙しくなると投稿が途切れ、気がつけば3ヶ月放置——こうしたパターンは珍しくありません。

このテンプレートのポイントは「投稿原稿のストック」をスプレッドシートで管理し、投稿のタイミングと文体のリライトをAIに任せる仕組みです。月初に15本分の原稿(1本2〜3行のメモ程度)をスプレッドシートに入力しておけば、あとはMakeが毎日自動で投稿してくれます。

AIによるリライトでは「SNS向けの文体にリライトしてください。140字以内。ハッシュタグを2〜3個追加してください」という指示を設定しています。原稿が「見積作成の効率化にはAIが有効です」というメモ書きでも、AIが「見積作成に45分かかっていませんか?AIなら15分。残りの30分で1件多くお客様に会えます。 #業務効率化 #中小企業AI」のようにリライトして投稿します。

実運用データ

指標 導入前 導入後
SNS投稿にかかる時間(月間) 5時間 ほぼゼロ(月初30分の原稿入力のみ)
月間投稿数 不定(0〜10本) 15本(安定)
月間削減時間 5時間

出典:生成AI総合研究所の支援先・設備会社(従業員12名)の実運用データ

ただし注意点があります。AIがリライトした投稿は、内容の正確性を事前確認せずにそのまま公開される仕組みです。事実誤認やブランドイメージにそぐわない表現が含まれるリスクがゼロではないため、初期段階では「投稿前に確認するステップ」を挟むことを推奨します。運用に慣れてきたら、信頼できるプロンプトが固まった段階で完全自動化に移行するのが安全なアプローチです。


料金とコストシミュレーション——月2,800円は「何に対する投資か」

Makeの料金プランとChatGPT APIのコスト構成を整理し、投資対効果を数字で確認します。

Make料金プラン比較

項目 Free(無料) Pro($9/月) Teams($16/月)
月間実行回数 1,000回 10,000回 10,000回
シナリオ数 2 無制限 無制限
データサイズ上限 1MB 5MB 無制限
チーム共有 × ×
優先実行 × ×

出典:Make公式サイトの料金ページ(2026年5月時点)。価格は契約条件により変動の可能性あり

テンプレート1つを試す段階では無料プランで十分です。5つのテンプレートを本格運用する場合はProプラン($9/月)が最低ラインです。複数のスタッフでシナリオを共有・編集する場合はTeamsプラン($16/月)が必要になりますが、「まずは1名がProプランで構築→効果が確認できたらTeamsに移行」が推奨の進め方です。

ChatGPT APIの月額コスト

ChatGPT APIは従量課金制で、処理するテキストの量に応じて費用が発生します。5つのテンプレートを月1,500回実行した場合、APIコストは約$10(約1,500円)です。

ただしこの数字はGPT-4o miniモデルを前提にしています。より高精度なGPT-5.5モデルを使用すると、コストは3〜5倍になります。テンプレート①〜④はGPT-4o miniで十分な精度が出ますが、テンプレート③(請求書のデータ抽出)でより高い精度が必要な場合はGPT-5.5の利用を検討してください。

投資対効果(ROI)シミュレーション

項目 金額
月額コスト(Make Pro + ChatGPT API) 約2,800円
月間削減時間 30時間
削減時間の人件費換算(時給1,500円として) 45,000円/月
年間の投資対効果 約540,000円の工数削減 ÷ 約33,600円の年間コスト = ROI約16倍

出典:生成AI総合研究所の支援先データを基にしたシミュレーション。人件費は中小企業の事務職平均時給で試算

月2,800円の投資で月45,000円相当の工数が削減される計算です。この費用対効果は、AI導入の中でも極めて高い水準です。

AI導入全般に活用できる補助金・助成金については、AI導入で使える補助金・助成金 完全ガイドで体系的に解説しています。Makeのようなノーコードツールの導入費用はIT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)の対象になる可能性があります。「うちのケースで補助金が使えるか知りたい」という方は、生成AI総合研究所の無料相談でお伝えできます。


導入事例——設備会社(従業員12名)の全体像

ここでは、5つのテンプレートを段階的に導入した設備会社(従業員12名)の全体像を紹介します。なお、以下は弊社の支援実績を基にした想定ケースであり、特定の企業を指すものではありません。

Before(導入前)

業務 月間工数 課題
メール確認 10時間 全件を目視確認。重要メールの見落とし
問い合わせ分類 10時間 手動でCRM入力。対応が遅れがち
請求書処理 8時間 PDFを1件ずつ手入力。転記ミスあり
週報作成 8時間 管理者が手動で集約
SNS投稿 5時間 続かない。3ヶ月で途切れた
合計 41時間

After(導入後・3ヶ月目)

業務 月間工数 導入テンプレート 削減率
メール確認 2時間 ① メール→AI要約→Slack 80%
問い合わせ分類 4時間 ② フォーム→AI分類→CRM 60%
請求書処理 3時間 ③ 請求書PDF→データ抽出 63%
週報作成 2時間 ④ 日報→週報AI生成 75%
SNS投稿 0.5時間 ⑤ X自動投稿 90%
合計 11.5時間 72%削減

出典:生成AI総合研究所の支援先データを基に作成

月41時間が月11.5時間に——月約30時間の削減です。月額2,800円の投資に対して、人件費換算で月約45,000円の効果があります。

設備会社のDX推進担当者はこう話していました。「最初は『AIとかMakeとか、うちには無理だろ』と思っていた。でもテンプレートを入れたら本当に30分で動いた。半日のセットアップは確かに大変だったが、その後は月2,800円で月30時間の削減。社長に報告したら、翌月から全部署への展開が決まった」。


導入ステップ——テンプレート①から始めるのが正解

5つのテンプレートを同時に導入するのは、学習コストの面でもリスク管理の面でもおすすめしません。段階的に導入するアプローチを推奨します。

ステップ1(1週目):テンプレート①を無料プランで試す

まずはMakeの無料プランでテンプレート①(メール→AI要約→Slack通知)を構築します。無料プランの月間1,000回の実行回数制限内で、1〜2週間の効果を確認できます。このステップの目的は「Makeが自社の環境で動くことを確認する」ことです。

ステップ2(2〜3週目):Proプランに移行し、テンプレート②③を追加

テンプレート①の効果を実感したら、Proプラン($9/月)に切り替え、テンプレート②(フォーム→AI分類→CRM登録)と③(請求書PDF→データ抽出)を追加構築します。この2つは業務のコア部分に関わるため、1〜2週間の並行運用(AIの処理結果を人間が全件チェック)を行ってから本格稼働に移行します。

ステップ3(4〜6週目):テンプレート④⑤を追加

メールと問い合わせと請求書の3つが安定稼働したら、テンプレート④(日報→週報AI生成)と⑤(X自動投稿)を追加します。この2つは業務の正確性への影響が比較的小さいため、短い検証期間で本格稼働に移行できます。

生成AI総合研究所の支援経験では、ステップ1から全テンプレートの本格稼働まで約6週間が目安です。「6週間で月30時間の工数削減」という投資対効果は、他のAI導入施策と比較しても極めて高い水準です。


失敗しがちなパターンと回避法

「全テンプレートを一気に入れたら現場が混乱した」

ある企業では、5つのテンプレートを同時に導入した結果、「Slackの通知が多すぎて逆に見落とす」「どの自動化が何をしているのかわからない」という混乱が起きました。テンプレートは1つずつ導入し、現場が「このツールはこういう動きをする」と理解してから次に進むのが鉄則です。

「エラー処理を設定していなくてAPIが止まった」

ChatGPT APIは稀にレスポンスのタイムアウトや一時的なエラーが発生します。Makeにはエラー発生時のリトライ設定やフォールバック(代替処理)の仕組みがありますが、テンプレートのデフォルト設定ではオフになっていることがあります。「エラーが起きたら3回まで自動リトライ」「それでも失敗したらSlackにエラー通知」という設定を最初から入れておくことで、「気づいたら自動化が止まっていた」という事態を防げます。

「API利用料が想定を超えた」

ChatGPT APIは従量課金のため、処理件数が増えるとコストも増加します。OpenAIのダッシュボードで月次の利用量をモニタリングし、予算上限(Usage Limit)を設定しておくことを推奨します。上限に達するとAPIの呼び出しが自動停止するため、「知らないうちに高額請求」を防げます。

「テンプレートが自社の業務フローに合わない」

テンプレートは「標準的な業務フロー」を前提に設計されています。たとえばテンプレート②のCRM連携先がSalesforceになっていますが、自社がHubSpotを使っている場合はモジュールの差し替えが必要です。Makeのモジュールライブラリに対象サービスがあるかどうかを事前に確認し、なければ代替手段(Webhook経由の連携やZapier経由の中継など)を検討する必要があります。


導入を検討する担当者がぶつかる疑問

——「プログラミング不要って言うけど、本当にうちの事務スタッフでもできますか?」

Makeはドラッグ&ドロップでシナリオを構築するノーコードツールなので、プログラミングの知識は不要です。ただし「APIキーの取得」「OAuth認証の設定」「JSONフォーマットの理解」など、プログラミングとは別種のIT知識が必要になる場面はあります。弊社の支援経験では、「普段からGoogleスプレッドシートの関数(VLOOKUPなど)を使いこなしている方」であれば、Makeの操作にも1〜2日で慣れるケースがほとんどです。

——「ChatGPT APIのコストがどこまで膨らむか不安です」

OpenAIのダッシュボードで月次の利用上限を設定できます。たとえば「月$20を超えたらAPIを停止」と設定しておけば、予算を超える心配はありません。5つのテンプレートの標準的な運用では月$10前後が目安ですが、処理件数が多い企業(月500件以上のメール処理など)の場合は$20〜30になることもあります。事前にシミュレーションを行い、利用上限を設定してから運用開始するのが安全です。

——「Zapierじゃなくて、なぜMakeを推奨するのですか?」

MakeとZapierは同じカテゴリのノーコード自動化ツールですが、AIとの連携においてはMakeに優位性があります。MakeはOpenAI APIとの連携モジュールが標準搭載されており、プロンプトの設定やモデルの選択を管理画面上で直接操作できます。Zapierでも同様のことは可能ですが、同等の機能を使うには上位プラン($29/月〜)が必要です。コストパフォーマンスの面で、中小企業にはMakeのProプラン($9/月)が最も合理的な選択です。

——「テンプレートは5つ以外にカスタマイズできますか?」

もちろん可能です。Makeのモジュールライブラリには1,000以上のサービスが登録されており、組み合わせ次第で無限のシナリオが構築できます。本記事で紹介した5つのテンプレートは「効果が高く、構築が比較的簡単」なものを選んでいますが、たとえば「Zoomの会議録画をAIが要約してNotionに保存する」「ECサイトの注文データを自動で在庫管理シートに反映する」といったカスタムシナリオも構築可能です。

——「セキュリティが心配です。社外のサービスに業務データを渡して大丈夫ですか?」

Make自体はSOC 2 Type IIとISO 27001の認証を取得しており、データの暗号化(転送中・保存中の両方)も実装されています。ChatGPT APIに送信されるデータは、OpenAIのAPI利用規約に基づきモデルの学習には使用されません(2026年5月時点)。ただし、個人情報や機密情報を含むデータを扱う場合は、自社の情報セキュリティポリシーとの整合性を確認したうえで導入を判断してください。


まとめ——「月2,800円で月30時間」を取り戻す最初の一歩

Make×ChatGPT APIによる業務自動化は、中小企業にとって「最小の投資で最大の効果」を得られるAI活用の入口です。月額約2,800円で月30時間の工数削減が実現でき、投資回収は実質初月で完了します。

今日始められる3つのアクションは以下の通りです。

  1. Makeの無料アカウントを作成する(3分)
  2. テンプレート①(メール→AI要約→Slack通知)を構築する(30分)
  3. 1週間運用して効果を実感する

この3ステップで「AIによる業務自動化が自社でも動く」ことを確認できます。効果を実感したら、テンプレート②〜⑤に展開し、月30時間の工数削減を実現してください。

ノーコードツールを使ったAI活用の全体像は業務効率化にAIを使う方法2026で、AI導入に使える補助金はAI補助金完全ガイドで解説しています。


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出典・参考:
– 中小企業基盤整備機構「中小企業のAI導入・活用状況調査」(2026年3月)
– Make公式サイト(make.com)料金ページ(2026年5月時点)
– OpenAI APIドキュメント・料金ページ(2026年5月時点)
– 生成AI総合研究所 支援先企業の実運用データ(施設の許諾を得て匿名で掲載)
※本記事の情報は2026年5月時点のものです。ツールの料金や機能は変更される場合があります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。

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生成AI総合研究所編集部
法人向けAI専門メディア。AIツール比較、業務効率化、導入事例、補助金活用など、企業のAI活用に必要な情報を発信しています。AI導入支援・研修の実績多数。

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