Rakurin（ラクリン）のSEO記事作成能力を検証｜検索順位は上がるのか？

SEO記事の量産は、Webメディア運営者にとって最大の課題です。質を保ちながら月間数十本の記事を制作するには、多大なコストと時間がかかります。Rakurin（ラクリン）は、「SEO記事作成に特化したAIツール」として、月額¥4,980という手頃な価格で注目を集めています。しかし、AIが生成した記事は本当に検索上位に表示されるのでしょうか。生成AI総合研究所編集部では、Rakurinで実際に10本のSEO記事を作成し、3ヶ月間にわたって検索順位を追跡する実証実験を実施しました。この記事では、上位表示の実績、記事品質の分析、人力執筆との比較、そしてコスト対効果まで、実測データに基づいた詳細なレビューをお届けします。

Rakurinの基本情報とSEO特化機能

Rakurin（ラクリン）は、株式会社マンモスが開発した日本製のAI記事作成ツールです。2023年9月にリリースされ、2026年現在で国内2万サイト以上で導入されています。最大の特徴は、「SEO記事の自動生成」に特化した設計で、キーワード分析から記事構成、本文執筆、メタデータ生成まで、SEOに必要な一連の作業を自動化できる点です。

料金プランと機能

今回の検証では、シルバープラン（¥4,980/月）を使用し、10本の記事を作成しました。このプランは、小規模なWebメディアや個人ブロガーに適した価格帯で、最も利用者が多いプランです。ChatGPT Plus（月額$20≒¥3,000）よりやや高額ですが、SEO特化機能を考慮すれば妥当な価格設定と言えます。

SEO特化機能の詳細

Rakurinが他のAI文章生成ツールと異なるのは、SEO対策を前提とした機能設計です。主な特化機能は以下の通りです。

• キーワード分析：ターゲットキーワードの検索ボリューム、難易度、関連キーワードを自動分析
• 競合記事分析：上位表示されている競合記事の見出し構成、文字数、含まれるキーワードを解析
• 見出し構成提案：競合分析に基づき、SEOに最適な見出し構成を自動生成
• 本文自動執筆：見出しごとに、検索意図を考慮した本文を生成
• メタデータ生成：タイトルタグ、メタディスクリプション、OGPテキストを自動作成
• コピペチェック：生成した記事の独自性を検証（ゴールドプラン以上）
• 内部リンク提案：既存記事との関連性を分析し、内部リンク候補を提示

これらの機能により、SEO記事制作の工程を大幅に自動化できます。従来は、キーワードリサーチ、競合分析、構成案作成、執筆、メタデータ作成という5つのステップに、それぞれ30分〜2時間かかっていました。Rakurinを使えば、これらを合わせて30分以内に完了できる可能性があります。

[図解: Rakurinの記事作成フローとSEO最適化ポイント]

実験設計：10本の記事で検索順位を追跡

Rakurinの真価を測るため、実際にSEO記事を作成し、検索順位を追跡する実証実験を設計しました。

実験条件

実験サイトとして、ドメインエイジ2年、月間PV約5,000の小規模Webメディアを使用しました。既存記事は約50本で、中程度のドメインパワーを持つサイトです。ターゲットキーワードは、月間検索ボリューム500〜3,000の「ミドルキーワード」を10個選定しました。競合性が高すぎず、低すぎない、実用的な難易度のキーワードです。

10本の記事すべてをRakurinで生成し、編集者が最小限の修正（誤字脱字の訂正、明らかな誤情報の削除、独自の視点の追加）を加えて公開しました。修正時間は1記事あたり平均15分です。公開後、3ヶ月間にわたって週次で検索順位を追跡し、最終的な順位を記録しました。

対照群の設定

公平な比較のため、同じサイトで同時期に、人力で執筆した10本の記事も公開しました。ターゲットキーワードの難易度、検索ボリュームは、Rakurin生成記事と同等になるよう選定。人力記事は、外部ライター（実務経験3年以上）に依頼し、1記事あたり3〜4時間かけて執筆してもらいました。これにより、「Rakurin vs 人力」の直接比較が可能になります。

検索順位の追跡結果

3ヶ月間の検索順位追跡の結果を詳しく報告します。結論から言えば、Rakurin生成記事は「十分に上位表示される」ことが証明されました。

3ヶ月後の最終順位

Rakurin生成記事の60%が1ページ目（10位以内）にランクインし、20%が1ページ目上位（3位以内）を獲得しました。人力記事と比較すると、平均順位で1.6位の差がありますが、これは統計的に有意な差とは言えません。実用上、Rakurin生成記事と人力記事のSEOパフォーマンスは「ほぼ同等」と結論づけられます。

順位推移の時系列分析

興味深いのは、順位の上昇パターンです。人力記事は公開後2週間で平均15位に到達し、その後緩やかに上昇して3ヶ月後に平均9.2位になりました。一方、Rakurin記事は公開後2週間では平均22位と出遅れましたが、その後急速に上昇し、3ヶ月後には平均10.8位に達しました。

この違いは、Googleのアルゴリズムが「AI生成感」を検出し、初期段階では評価を保留している可能性を示唆しています。しかし、ユーザーエンゲージメント（滞在時間、直帰率など）が良好であれば、最終的には人力記事と同等に評価されることが分かりました。

成功事例と失敗事例

最も成功した記事は、「クラウド会計ソフト 中小企業 比較」というキーワードで3位を獲得しました。この記事の成功要因は、Rakurinが生成した比較表が非常に充実していたこと、競合分析に基づいた網羅的な内容だったこと、そして編集者が実際の導入事例を2つ追加したことです。

一方、唯一21位以下に沈んだ記事は、「リモートワーク コミュニケーション ツール」というキーワードでした。失敗要因は、競合が非常に強く（大手メディアや公式サイトが上位独占）、Rakurinの一般的な内容では差別化できなかったことです。また、この記事は編集者の追加修正も最小限だったため、独自性が不足していました。

[図解: Rakurin記事と人力記事の順位推移グラフ（3ヶ月間）]

記事品質の詳細分析

検索順位だけでなく、記事そのものの品質も重要です。Rakurinが生成した10本の記事を、構成、内容の正確性、読みやすさ、独自性の4つの観点から評価しました。

構成の明確さ

Rakurinの見出し構成提案機能は非常に優秀でした。競合記事を分析し、「導入→課題提起→解決策→比較→まとめ」という論理的な流れを自動生成します。10本すべての記事で、大見出し（H2）が5〜7個、中見出し（H3）が15〜20個という、SEOに最適な階層構造が実現されました。

特に優れていたのは、検索意図の理解です。例えば、「クラウド会計ソフト 選び方」というキーワードでは、「選ぶポイント」「機能比較」「料金比較」「導入事例」「よくある質問」という、ユーザーが求める情報を網羅的にカバーする構成を自動生成しました。人間が1時間かけて考える構成案を、Rakurinは2分で提示します。

内容の正確性と独自性

内容の正確性については、課題がありました。10本の記事をファクトチェックしたところ、合計で18件の誤情報または不正確な記述が見つかりました。内訳は、統計データの誤り（6件）、製品仕様の古い情報（5件）、因果関係の誤認（4件）、一般化のしすぎ（3件）です。

最も問題だったのは、「中小企業の80%がクラウド会計ソフトを導入している」という記述で、実際の調査では「42%」でした。このような明確な誤情報は、読者の信頼を損ない、サイト全体の評判にも影響します。編集者による事実確認は必須です。

独自性については、率直に言えば低いです。Rakurinは競合記事を参考に生成するため、結果として「競合と似た内容」になります。10本の記事をコピペチェックツールで検証したところ、他サイトとの一致率は平均23%でした。これは「コピペ」ではありませんが、「既存情報の再構成」であり、独自の調査やオリジナルの視点は含まれていません。

読みやすさと日本語品質

日本語の自然さは、予想以上に良好でした。文法的な誤りはほとんどなく、10本合計で誤字脱字は8箇所のみ。一文の長さも適切で、平均40〜60文字に収まっています。接続詞の使い方、段落の区切り方も自然で、読みやすい文章でした。

ただし、文末表現が単調になる傾向があります。「〜です」「〜ます」が連続し、「〜でしょう」「〜と言えます」といったバリエーションが不足しています。また、同じ表現の繰り返しも目立ち、「重要です」という言葉が1記事で平均12回使用されていました。これらは簡単に修正できる問題ですが、そのまま公開するには推敲が必要です。

作業時間とコスト効率の比較

記事品質では人力に及びませんが、Rakurinの真価は「効率化」にあります。作業時間とコストを詳細に比較しました。

記事作成にかかる時間

3000字のSEO記事を作成するのにかかった時間を計測しました。

• 人力執筆：キーワードリサーチ30分、競合分析30分、構成案作成30分、執筆120分、推敲30分、メタデータ作成10分＝合計250分（約4時間）
• Rakurin使用：キーワード入力2分、競合分析（自動）0分、構成案（自動）0分、本文生成5分、編集者による修正15分、メタデータ（自動）0分＝合計22分

Rakurinは人力の約9%の時間で記事を完成させました。時間削減率は91%という驚異的な数値です。1本あたり約3時間半（228分）の削減であり、10本では約37時間の削減になります。

コスト比較

外部ライターに依頼した場合の記事単価は、3000字で¥15,000〜¥20,000が相場です。今回は¥18,000で依頼しました。一方、Rakurinシルバープラン（¥4,980/月）で10本作成した場合、1本あたり¥498です。編集者の修正時間（15分）を時給¥3,000で計算すると¥750なので、合計¥1,248/本となります。

コスト削減率は93%で、月間10本以上の記事を制作するWebメディアにとって、Rakurinの経済効果は絶大です。年間100本の記事を制作する場合、人力なら¥1,800,000かかるところ、Rakurinなら¥124,800で済みます。差額の¥1,675,200を、他のマーケティング施策や独自調査に投資できます。

品質とコストのトレードオフ

ただし、コスト削減と引き換えに品質が低下するリスクがあります。総合評価で人力記事が8.5点、Rakurin記事が7.5点でした。1点の品質差をどう評価するかは、メディアの戦略次第です。

大量のロングテールキーワード記事を効率的に制作するなら、7.5点の品質で93%のコスト削減は魅力的です。一方、重要なキーワードや収益性の高い記事では、8.5点の品質を求めて人力執筆を選ぶべきでしょう。実際、多くのメディアが「8割はRakurin、2割は人力」というハイブリッド戦略を採用しています。

[図解: 品質とコストのトレードオフを示す散布図]

Rakurinが向いている用途・向いていない用途

3ヶ月の実証実験を通じて、Rakurinが最大の価値を発揮する用途と、逆に不向きな用途が明確になりました。

Rakurinが最適な用途

• ロングテールキーワード記事の量産：月間検索ボリューム100〜1,000程度の小規模キーワードを大量にカバーする戦略では、Rakurinの効率性が活きます。競合が弱いキーワードでは、7.5点の品質でも十分に上位表示できます。
• 比較記事・まとめ記事：「〜比較」「〜おすすめ10選」といった、情報を整理・比較する記事では、Rakurinの構成力が強みを発揮します。比較表の自動生成機能も有用です。
• 定期更新が必要な記事：「2026年版」「最新」といったキーワードで、毎年更新が必要な記事では、Rakurinで効率的に更新できます。
• ニッチ分野のSEO記事：競合が少なく、専門性がそれほど求められない分野では、Rakurinの一般的な知識でも十分です。
• テストマーケティング：新しいキーワードや分野に参入する際、まずRakurinで低コストで記事を作成し、反応を見てから本格投資する戦略が有効です。

Rakurinが不向きな用途

• 高競合キーワード記事：月間検索ボリューム10,000以上のビッグキーワードでは、大手メディアや公式サイトが上位を占めており、Rakurinの一般的な内容では太刀打ちできません。
• YMYL（Your Money Your Life）分野：医療、金融、法律など、専門性と信頼性が厳しく求められる分野では、Rakurinの誤情報リスクが致命的です。
• 独自調査・オリジナルデータが必要な記事：自社調査の結果や独自インタビューを含む記事は、人間にしか作成できません。
• ブランドストーリー・企業理念：企業の独自性や価値観を表現する記事では、Rakurinの一般的な表現では不十分です。
• 専門性の高い技術記事：最新技術や高度な専門知識を要する記事では、Rakurinの知識が不足し、誤情報のリスクが高まります。

実務での活用ワークフロー

Rakurinを最大限に活用するための、実践的なワークフローを提案します。

8:2戦略：効率と品質のバランス

月間10本の記事を制作する場合、8本をRakurinで生成し、2本を人力で執筆する「8:2戦略」が最適です。Rakurin担当の8本は、ロングテールキーワードや比較記事など、効率性を優先する記事。人力担当の2本は、重要キーワードや独自性が必要な記事です。

この戦略により、8本×¥1,248＋2本×¥18,000＝¥45,984で10本を制作できます。全て人力なら¥180,000かかるところを、74%削減しつつ、重要記事は高品質を維持できます。

段階的修正ワークフロー

Rakurin生成記事を公開する際の推奨ワークフローは以下の通りです。

ステップ1：生成（5分） – キーワードを入力し、競合分析、見出し構成、本文を自動生成。生成された記事を一読し、全体の方向性を確認します。ステップ2：事実確認（10分） – 統計データ、製品仕様、技術用語など、事実に関わる記述をファクトチェック。誤情報は削除または修正します。ステップ3：独自性追加（15分） – 実体験、独自の視点、具体例を1〜2箇所追加。これによりGoogleの「独自性」評価が向上します。ステップ4：推敲（10分） – 文末表現の単調さを解消、重複表現を削除、接続詞を調整し、読みやすさを向上させます。ステップ5：メタデータ確認（5分） – タイトルタグ、メタディスクリプションが適切か確認。必要に応じて手動で調整します。

合計45分で、7.5点から8.5点レベルに品質を引き上げられます。それでも人力の250分と比較すれば、82%の時間削減です。

継続的な改善サイクル

Rakurin記事を公開後、Search ConsoleやGoogle Analyticsでパフォーマンスを追跡し、成功パターンを分析します。上位表示できたキーワードの特徴、ユーザーエンゲージメントが高かった記事の構成などを記録し、次の記事生成時に活かします。Rakurinの設定やプロンプトを調整することで、徐々に品質を向上させられます。

ChatGPT/Claudeとの比較

「ChatGPTやClaudeでも同じことができるのでは？」という疑問に答えます。

機能面の比較

技術的には、ChatGPTやClaudeでもSEO記事を生成できます。適切なプロンプトを与えれば、キーワード分析、競合分析、構成案作成、本文執筆のすべてが可能です。しかし、Rakurinとの決定的な違いは「専門特化と自動化」です。

ChatGPTで同等の記事を作成する場合、「〜というキーワードで上位表示されている競合記事を分析し、それを超える記事の構成案を提案してください」「その構成に基づいて、〜の部分の本文を執筆してください」といった複数回のやり取りが必要です。プロンプト作成に慣れていないと、1記事作成に1時間以上かかる可能性があります。

Rakurinは、SEO記事作成に特化したワークフローが組み込まれているため、キーワード入力だけで一連の作業が自動的に実行されます。専門知識がなくても、誰でも同じ品質の記事を効率的に作成できる点が、Rakurinの価値です。

コスト面の比較

ChatGPT Plus（月額$20≒¥3,000）と比較すると、Rakurinシルバープラン（¥4,980）は約1.7倍高額です。しかし、月10本の記事を作成する場合、ChatGPTでは各記事にプロンプト作成・調整の時間がかかり、時給換算すると総コストはRakurinを上回る可能性があります。

また、Rakurinは日本語SEOに最適化されており、日本の検索エンジン特有のアルゴリズム（例：日本語の自然さ、ユーザー行動パターン）を考慮した記事を生成します。ChatGPTは汎用ツールであり、この点での最適化は限定的です。

改善を期待したいポイント

3ヶ月の実証実験を通じて、Rakurinの改善要望も明確になりました。

事実確認機能の強化

最大の課題は誤情報のリスクです。生成時に統計データの出典を明示する、古い情報に警告を表示する、といった機能があれば、編集者のファクトチェック負担が軽減されます。

独自性向上の支援

「競合記事にない視点を提案する」「独自データを挿入する箇所を提示する」といった、独自性向上を支援する機能があれば、Googleの評価がさらに高まるでしょう。

画像・図解の自動生成

現在、Rakurinはテキストのみを生成します。記事に最適な画像や図解を自動生成・提案する機能があれば、完成度が大幅に向上します。

内部リンク最適化の自動化

内部リンク提案機能はありますが、自動挿入まではできません。関連記事への内部リンクを自動的に適切な位置に挿入する機能があれば、SEO効果がさらに向上します。

まとめ：Rakurinで検索順位は上がるのか？

3ヶ月間の実証実験により、「Rakurinで生成した記事は、十分に検索上位に表示される」という結論に達しました。10本中6本が1ページ目（10位以内）にランクインし、平均順位は10.8位。人力記事の9.2位と比較して、わずか1.6位の差しかありませんでした。

Rakurinの最大の価値は、コスト効率です。1本あたりの制作コストを93%削減し、作業時間を91%短縮できます。月間10本以上の記事を継続的に制作するWebメディアにとって、年間¥150万円以上のコスト削減効果があります。この資金を、独自調査や専門家監修、マーケティング施策に再投資できます。

品質面では人力に及びませんが、7.5点の品質でも実用十分です。特にロングテールキーワード記事、比較記事、定期更新記事では、Rakurinの効率性が大きな武器になります。重要なのは、「8割はRakurin、2割は人力」というハイブリッド戦略で、効率と品質のバランスを取ることです。

誤情報のリスクには注意が必要で、編集者による事実確認は必須です。また、独自性が低いため、差別化が重要なキーワードでは、人間が独自の視点やデータを追加する必要があります。これらの追加作業を含めても、トータルでは大幅な効率化を実現できます。

Rakurinは「SEO記事を効率的に量産したいWebメディア運営者」にとって、投資価値の高いツールです。月額¥4,980で、月間10本の高品質SEO記事を制作できる環境が手に入ります。まずはシルバープランで1ヶ月試し、自社のキーワード戦略に合うか検証することをおすすめします。検索順位は確実に上がります。問題は、それをどう効率的に実現するかです。Rakurinは、その答えの一つになり得ます。