AI研修の費用を最大75%抑えられる助成金制度があります。厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」です。
この制度を活用すれば、10名を対象にした100万円のAI研修の実質負担は約2.5万円/人に圧縮できます。月額30〜80万円のカスタマイズ伴走型AI研修でも、経費助成と賃金助成を合わせると研修費用を上回る助成金を受給できるケースが実際に発生しています。
にもかかわらず、生成AI総合研究所が支援した50社のうち、弊社から助成金の情報を提供するまでこの制度を知っていた企業はわずか3社(6%)でした。「知らなかった」「難しそう」「申請が面倒」——この3つが、多くの中小企業がこの助成金を使わない理由です。しかし実態は、正しい手順を踏めば採択率は非常に高く、弊社が申請を支援した5社は5社とも採択されています(採択率100%)。
本記事では、制度の全体像から申請手順7ステップ、不支給(申請却下)になる5つのパターンと回避法、他の助成金・補助金との組み合わせ、そして5社の採択結果と実質負担額のデータまでを、弊社の申請支援実績に基づいて詳しく解説します。
この記事でわかること
– 人材開発支援助成金の制度概要(対象要件・助成率・上限額・対象コース)
– 「事業展開等リスキリング支援コース」がAI研修に適する理由
– 申請手順7ステップ(計画届提出→研修実施→支給申請の時系列)
– 助成額の具体的な計算例(10名×90日研修の場合)
– 不支給になる5つのパターンと回避法(弊社の支援で蓄積した「落とし穴」)
– 他の制度(IT導入補助金・キャリアアップ助成金)との組み合わせ方法
– 弊社が申請支援した5社の採択結果と実質負担額データ
– 研修会社選びの3つのポイント(助成金対応の確認を含む)
制度概要——「知らなかった」では損をする
人材開発支援助成金の全体像
人材開発支援助成金は、企業が社員の職業能力開発(研修・教育訓練)を行った場合に、その費用の一部を国が助成する制度です。複数のコースがありますが、AI研修に最も適しているのは「事業展開等リスキリング支援コース」です。
このコースは、企業が新しい事業分野(DX/AI/グリーン等)への展開を図るために行う人材育成を支援する目的で設けられています。生成AIの活用は「デジタル分野のリスキリング」に該当するため、AI研修はこのコースの対象になります。弊社が申請支援した5社はすべてこのコースで採択されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 人材開発支援助成金 |
| 適用コース | 事業展開等リスキリング支援コース |
| 所管 | 厚生労働省 |
| 経費助成率(中小企業) | 75% |
| 経費助成率(大企業) | 60% |
| 賃金助成(中小企業) | 960円/時間 |
| 賃金助成(大企業) | 480円/時間 |
| 上限額 | 1事業主あたり年間1億円 |
| 対象となる研修 | DX・AI・デジタル・グリーン分野の社員研修 |
出典:厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」制度概要(2026年度版)
中小企業の定義
助成率が中小企業と大企業で異なるため、「自社が中小企業に該当するか」を確認する必要があります。
| 業種 | 資本金 | 従業員数 |
|---|---|---|
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50名以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100名以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100名以下 |
| その他(製造業等) | 3億円以下 | 300名以下 |
出典:中小企業基本法に基づく中小企業の定義
資本金または従業員数のいずれかが上記の基準以下であれば「中小企業」に該当し、経費助成率75%が適用されます。弊社が支援した5社はすべて中小企業に該当しています。
AI研修が助成金の対象になる理由
事業展開等リスキリング支援コースの対象となるのは、「事業展開や新分野への進出に伴うリスキリング」を目的とした研修です。AI研修が対象になるかどうかを判断するポイントは、研修内容が「自社の事業にAIを活用する」ことと関連しているかどうかです。
具体的には、以下のような研修内容が対象になります。
「ChatGPTを使った業務効率化研修」は対象です。日報、報告書、メール、議事録などの業務をAIで効率化するスキルを習得する研修は、「DX人材の育成」に該当します。「生成AI活用の全社研修」も対象です。全社員がAIツールを使えるようになることで、業務プロセスのデジタル化を推進する研修は、「事業のデジタル化に伴うリスキリング」に該当します。「プロンプト設計研修」も対象です。AIに的確な指示を出すスキルは、DX推進に直結する新しいスキルであり、リスキリングの対象になります。
一方、以下のような研修は対象外です。「AIの一般教養セミナー」(自社の事業との関連性が不明確な場合)、「AIの学術研究」(業務への活用が目的ではない場合)は対象になりません。
弊社が申請支援した5社の研修は、すべて「自社の業務にAIを活用するスキルの習得」を目的としており、計画届の提出時に「研修で習得したスキルをどの業務に適用するか」を具体的に記載しました。この「業務との関連性の明記」が採択のポイントです。
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助成額の具体的な計算例——「本当にそんなに安くなるのか?」
「75%助成」と聞いても、実際にいくら負担が軽減されるのかがイメージしにくいという声を多くいただきます。弊社が支援した5社の実例に基づく計算例を示します。
計算例1:10名×90日プログラム(製造業・従業員200名)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 研修費用(10名分) | 100万円 |
| 経費助成(75%) | 75万円 |
| 賃金助成(960円×40時間×10名) | 38.4万円 |
| 助成金合計 | 113.4万円 |
| 実質負担 | 100万円 − 113.4万円 = -13.4万円(助成金のほうが上回る) |
| 1人あたりの実質負担 | 0円以下 |
出典:生成AI総合研究所の支援実績データ(製造業、匿名加工済み)
この計算が示している通り、研修費用よりも助成金のほうが上回る「マイナス負担」が発生するケースが実際にあります。経費助成(研修費用の75%)に加えて賃金助成(研修時間中の賃金の一部)が支給されるため、研修時間が長い(40時間以上)プログラムでは助成金の総額が研修費用を超えることがあるのです。
計算例2:8名×60日プログラム(不動産・従業員35名)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 研修費用(8名分) | 60万円 |
| 経費助成(75%) | 45万円 |
| 賃金助成(960円×30時間×8名) | 23万円 |
| 助成金合計 | 68万円 |
| 実質負担 | 60万円 − 68万円 = -8万円(助成金のほうが上回る) |
出典:生成AI総合研究所の支援実績データ(不動産、匿名加工済み)
計算例3:5名×30日プログラム(広告代理店・従業員25名)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 研修費用(5名分) | 40万円 |
| 経費助成(75%) | 30万円 |
| 賃金助成(960円×15時間×5名) | 7.2万円 |
| 助成金合計 | 37.2万円 |
| 実質負担 | 40万円 − 37.2万円 = 2.8万円 |
| 1人あたりの実質負担 | 約5,600円 |
出典:生成AI総合研究所の支援実績データ(広告代理店、匿名加工済み)
研修期間が短い(15時間)場合は賃金助成が少なくなるため、実質負担がゼロにはなりません。しかし、1人あたり約5,600円でAI研修を受講できるのは、費用対効果として極めて高いと言えます。

申請手順7ステップ——「面倒」は思い込み、やることはシンプル
「助成金の申請は面倒」というイメージがありますが、実際の手順はシンプルです。弊社は7ステップに分解し、各ステップで何をすべきかを明確にしています。
| ステップ | 内容 | 時期 | 所要時間 | 主な作業 |
|---|---|---|---|---|
| Step1 | 研修計画の策定 | 研修開始の2ヶ月前 | 3〜5時間 | 研修テーマ・内容・時間数の決定 |
| Step2 | 事業内職業能力開発計画の策定 | 研修開始の1.5ヶ月前 | 2〜3時間 | 自社の人材育成方針を文書化 |
| Step3 | 計画届の提出 | 研修開始の1ヶ月前 | 1時間 | 最寄りのハローワーク(労働局)に提出 |
| Step4 | 計画届の承認待ち | 提出後2〜4週間 | — | 承認通知を待つ |
| Step5 | 研修の実施 | 承認後 | 研修期間 | 出席簿・研修記録の保管 |
| Step6 | 支給申請書類の準備 | 研修終了後すぐ | 3〜5時間 | 受講証明書・領収書の整理 |
| Step7 | 支給申請の提出 | 研修終了後2ヶ月以内 | 1時間 | ハローワーク(労働局)に提出 |
出典:厚生労働省「人材開発支援助成金」申請マニュアルを基に生成AI総合研究所が整理
合計の作業時間は10〜15時間程度です。弊社が申請をサポートする場合は、Step1〜2の計画策定とStep6の書類準備を弊社が代行するため、クライアント企業の作業は3〜5時間に圧縮されます。
各ステップの詳細を見ていきましょう。
Step1:研修計画の策定
最初のステップは、研修の内容を具体的に計画することです。計画に盛り込むべき情報は以下の5項目です。
1つ目は「研修のテーマと目的」です。「生成AIを活用した業務効率化スキルの習得」「DX推進に必要なAIリテラシーの向上」など、事業展開等リスキリング支援コースの趣旨に合致するテーマを設定します。
2つ目は「研修の内容とカリキュラム」です。何を教えるのかを具体的に記載します。「プロンプト設計の基礎(2時間)」「業務データを使ったハンズオン(3時間)」のように、時間配分とともに明記します。
3つ目は「研修の対象者と人数」です。誰が受講するのかを明記します。「製造部門5名、営業部門3名、管理部門2名の計10名」のように、部門と人数を具体的に記載します。
4つ目は「研修の期間と時間数」です。「2026年7月1日〜2026年9月30日(90日間)、総研修時間40時間」のように、具体的な日程と時間数を記載します。
5つ目は「研修の実施方法」です。「外部研修会社による講義+ハンズオン」「集合研修2日間+月次勉強会3回+自主実践」など、研修の形式を記載します。
Step2:事業内職業能力開発計画の策定
これは、自社全体の人材育成方針を文書化するものです。「当社は、DXの推進に伴い、全社員のAIリテラシー向上を人材育成の重点施策として位置づける」といった内容を、A4用紙1〜2枚程度で作成します。
弊社が申請をサポートする際は、このテンプレートをクライアント企業に提供し、自社の状況に合わせて修正してもらっています。ゼロから作成すると3時間かかる作業ですが、テンプレートがあれば1時間で完成します。
Step3:計画届の提出
研修開始の1ヶ月前までに、最寄りのハローワーク(管轄の都道府県労働局)に計画届を提出します。提出方法は窓口持参または郵送です。オンライン申請は一部の自治体で対応していますが、2026年5月時点では窓口持参が最も確実です。
提出に必要な書類は、計画届の様式(厚生労働省のウェブサイトからダウンロード可能)、事業内職業能力開発計画、研修のカリキュラム(内容と時間数がわかるもの)、研修を実施する研修会社の情報(概要・講師情報等)です。
Step4:計画届の承認待ち(最重要ポイント)
計画届を提出した後、ハローワーク(労働局)から承認通知が届くまで待ちます。承認までの期間は通常2〜4週間です。
ここが最も重要な注意点です。計画届の承認前に研修を開始すると、助成金は一切支給されません。弊社のクライアント企業でも、この落とし穴にはまりかけたケースが2件ありました。
1件目は製造業(従業員200名)です。計画届を提出した翌週に「すぐに研修を始めたい」という社長の強い意向で研修の日程を前倒ししようとしました。弊社が「計画届の承認前に研修を開始すると助成金が出なくなります」と説明し、1週間の延期で事なきを得ました。
2件目は広告代理店(従業員25名)です。計画届の提出から3週間が経っても承認通知が届かず、「もう待てないから始めてしまおう」となりかけました。弊社がハローワークに問い合わせたところ、「書類の一部に不備があり、修正を依頼するFAXを送った」とのこと。FAXが届いていなかったことが判明し、書類を修正して再提出。その後1週間で承認が下りました。
このエピソードが示しているのは、「承認通知がなかなか届かない場合は、待つのではなく積極的にハローワークに問い合わせる」ことの重要性です。
Step5〜7:研修の実施と支給申請
研修の実施にあたっては、以下の証拠書類を確実に保管します。出席簿(毎回の出席確認)、研修記録(各回の研修内容の記録)、受講証明書(研修会社が発行)、請求書・領収書(研修費用の支払いを証明するもの)。
研修終了後2ヶ月以内に支給申請書をハローワーク(労働局)に提出します。この期限は厳守です。1日でも遅れると、助成金は支給されません。弊社がクライアント企業を支援する際は、研修終了日の翌月にリマインダーを設定し、期限内の提出を確実にしています。
支給申請から助成金の入金までは2〜3ヶ月かかります。入金は事業主の銀行口座に直接振り込まれます。
不支給になる5つのパターンと回避法——弊社が蓄積した「落とし穴」データ
弊社が5社の申請を支援する中で蓄積した「不支給(申請却下)になりやすいパターン」を5つにまとめます。これらを事前に把握しておくことで、不支給のリスクを大幅に低減できます。
パターン1:計画届の承認前に研修を開始した
最も多い不支給パターンです。前述の通り、計画届が承認される前に研修を開始すると助成金は一切支給されません。
回避法は「研修日程は計画届の承認日以降に設定する」ことです。弊社では、研修開始日を「計画届提出日の6週間後」に設定し、承認に時間がかかっても対応できるバッファを確保しています。
パターン2:出席記録の不備
研修の出席を証明する書類が不備だった場合、該当する研修日の助成金が不支給になります。具体的には、「出席簿に受講者の署名がない」「遅刻・早退の時間が記録されていない」「オンライン研修のログイン/ログアウト時間が不明」といったケースです。
回避法は「毎回の研修で、受講者の署名付き出席簿を作成する」ことです。オンライン研修の場合は、Zoom等のミーティングツールの参加ログ(ログイン時間・ログアウト時間)をスクリーンショットで保存します。弊社では、研修の初日に「毎回の出席確認ルール」を受講者に説明し、出席記録の漏れを防いでいます。
パターン3:申請期限の超過
研修終了後2ヶ月以内に支給申請を提出しなかった場合、助成金は支給されません。「研修が終わって安心してしまい、申請を忘れた」というケースは実際にあります。
回避法は「研修終了日にカレンダーのリマインダーを設定する」ことです。「研修終了1週間後:書類準備開始」「研修終了1ヶ月後:申請書類の最終確認」「研修終了6週間後:申請書類の提出(期限2週間前)」——このように、複数のリマインダーを設定しておくことで、期限超過を確実に防げます。
パターン4:研修内容が「リスキリング」に該当しない
研修のテーマが「事業展開等リスキリング」に該当しないと判断された場合、助成金は不支給になります。たとえば、「AIの歴史と理論を学ぶ座学セミナー」は、自社の事業展開との関連性が不明確なため、不支給になるリスクがあります。
回避法は「計画届の段階で、研修内容と自社の事業展開との関連性を明確に記載する」ことです。「当社は生成AIを活用した業務効率化を推進するため、全社員のAI活用スキルを向上させる研修を実施する。具体的には、日報・報告書・メールの作成業務にChatGPTを活用し、月間○時間の業務時間削減を目指す」——このように、研修の目的と自社の業務との関連を具体的に記載します。
パターン5:研修会社の選定に問題がある
助成金の対象となる研修は、一定の要件を満たす研修会社が実施する必要があります。たとえば、「研修の講師が明確でない」「研修カリキュラムの内容が不明確」「研修会社の事業実態が確認できない」といった場合、助成金の対象外とされるリスクがあります。
回避法は「助成金申請の実績がある研修会社を選ぶ」ことです。弊社の経験では、「助成金対応」を明示している研修会社は全体の4割程度に過ぎません。問い合わせの段階で「助成金の計画届に必要な書類(カリキュラム詳細・講師情報等)を提供できるか」を確認してください。
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他の制度との組み合わせ——助成金の「多段ロケット」
人材開発支援助成金だけでなく、AI導入に活用できる他の制度と組み合わせることで、さらにコストを圧縮できるケースがあります。
| 制度名 | 対象 | 助成率/補助率 | AI導入への活用場面 |
|---|---|---|---|
| 人材開発支援助成金(リスキリングコース) | 社員研修の費用 | 経費75%+賃金助成 | AI研修・プロンプト設計研修 |
| IT導入補助金 | ITツールの導入費用 | 1/2〜3/4 | ChatGPT Team/Enterprise等の導入 |
| ものづくり補助金 | 設備投資・システム構築 | 1/2〜2/3 | AI連携システムの構築 |
| 事業再構築補助金 | 新分野展開の事業費 | 1/2〜3/4 | AI活用による新規事業の立ち上げ |
出典:各制度の公式サイト情報を基に作成(2026年5月時点)。助成率・補助率は企業規模・地域等により変動
弊社が支援した製造業(従業員200名)では、人材開発支援助成金で社員のAI研修費用を75%助成し、IT導入補助金でChatGPT TeamプランのIT導入費用を1/2補助するという「二段構え」でコストを圧縮しました。年間の総コスト200万円に対し、助成金・補助金の合計が約150万円で、実質負担は約50万円でした。
ただし、同一の経費に対して複数の助成金・補助金を重複して申請することはできません。研修費用には人材開発支援助成金を、ツール導入費用にはIT導入補助金を——というように、費用項目ごとに適切な制度を割り当てる必要があります。AI導入全般の補助金・助成金の組み合わせ方はAI導入で使える補助金・助成金 完全ガイド【2026年最新】で体系的に解説しています。
5社の採択結果と実質負担額——弊社の申請支援データを公開
弊社が人材開発支援助成金の申請を支援した5社の実績データを公開します。5社中5社が採択されており、採択率は100%です。
| 企業 | 業種(従業員数) | 研修内容 | 受講者数×期間 | 研修費用 | 経費助成 | 賃金助成 | 実質負担 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| A社 | 製造業(200名) | 生産管理のAI化研修 | 10名×90日 | 100万円 | 75万円 | 38.4万円 | −13.4万円(実質無料) |
| B社 | 建設業(120名) | 見積業務のAI活用研修 | 8名×60日 | 80万円 | 60万円 | 18.4万円 | 1.6万円 |
| C社 | 不動産(35名) | 物件入力のAI化研修 | 8名×90日 | 60万円 | 45万円 | 23万円 | −8万円(実質無料) |
| D社 | 広告代理店(25名) | プロンプト設計研修 | 5名×30日 | 40万円 | 30万円 | 7.2万円 | 2.8万円 |
| E社 | IT SaaS(50名) | 全社AI活用研修 | 20名×60日 | 200万円 | 150万円 | 46.1万円 | 3.9万円 |
| 5社合計 | — | — | 51名 | 480万円 | 360万円 | 133.1万円 | −13.1万円 |
出典:生成AI総合研究所の支援実績データ(5社、匿名加工済み)。助成額は研修時間・内容により変動
5社合計で見ると、研修費用480万円に対して助成金493.1万円を受給しており、合計の実質負担はマイナス13.1万円です。つまり、5社の研修を合わせると「お釣りが出る」状態になっています。
注目すべきは、A社とC社が「研修費用よりも助成金のほうが多い」状態になっている点です。これは、研修時間が長い(90日間・40時間以上)ために賃金助成の金額が大きくなり、経費助成と合わせると研修費用を上回るためです。
弊社の5社すべてが採択された要因を分析すると、以下の3つに集約されます。
1つ目は「計画届の記載内容が具体的だった」ことです。「AIの研修をやる」ではなく「ChatGPTを使って日報・報告書の作成業務を効率化するスキルを、製造部門5名・営業部門3名・管理部門2名に対して、90日間・40時間の研修で習得させる」——このレベルで具体的に記載しました。
2つ目は「事業展開との関連性を明記した」ことです。「当社は2026年度の事業計画において、DX推進による業務効率化を重点施策と位置づけている。AI活用人材の育成はその実行施策の1つである」と、自社の事業計画との関連を明確に示しました。
3つ目は「計画届の提出時期に余裕を持った」ことです。研修開始の2ヶ月前に計画届を提出し、承認が遅れた場合のバッファを確保しました。
研修会社選びの3つのポイント——「助成金対応」は必ず確認
ポイント1:助成金申請のサポートがあるか
弊社の経験では、「助成金対応」を明示している研修会社は全体の4割程度です。残りの6割は、助成金への対応実績がないか、対応を明示していません。
助成金を活用する場合、研修会社から以下の書類が必要になります。研修カリキュラムの詳細(テーマ・内容・時間数が明記されたもの)、講師の情報(経歴・資格等)、受講証明書(研修修了後に発行)、請求書・領収書(経費の証明)。これらの書類を問題なく提供できるかを、問い合わせの段階で確認してください。
ポイント2:自社の業務に合ったカスタマイズができるか
助成金の計画届には「研修内容と自社の事業との関連性」を記載する必要があります。汎用的な「ChatGPT入門研修」よりも、自社の業務データを使ったカスタマイズ研修のほうが、計画届の説得力が高まります。
弊社が研修を実施する際は、事前にクライアント企業の業務をヒアリングし、「物件紹介文の作成」「日報の下書き」「見積書の作成」など、受講者の実際の業務をテーマにしたハンズオンを設計しています。この「業務直結型」のカリキュラムは、助成金の計画届においても「事業展開との関連性」を明確に示す材料になります。
ポイント3:研修後のフォローがあるか
研修が終わった時点ではスキルの「入口」に立っただけです。研修後1〜3ヶ月のフォロー(月次勉強会・質問対応・新しい活用テーマの提案)がある研修会社を選ぶことで、助成金で投資した研修の効果が持続します。
弊社の90日プログラムでは、集合研修(2日間)の後も月次勉強会と週次の質問対応を90日間継続し、定着率85%を実現しています。研修プログラムの詳細はAI人材育成を3段階×90日で設計する方法で解説しています。
よく聞かれる疑問と回答
——「申請が難しそうで不安です。自分でできますか?」
自社だけで申請することは十分に可能です。厚生労働省のウェブサイトに申請マニュアルと各種様式が公開されており、手順通りに進めれば特別な知識は不要です。ただし、初めての申請では「書類の書き方がわからない」「これで合っているか不安」という声が多いのも事実です。弊社のように助成金申請のサポートを行っている研修会社を活用することで、申請の手間と不安を大幅に軽減できます。
——「うちの業種でも対象になりますか?」
業種による制限はありません。製造業、建設業、不動産、IT、広告、小売、サービス業——いずれの業種でも、「DX・AI分野のリスキリング」を目的とした社員研修であれば対象になります。弊社が支援した5社は、製造業・建設業・不動産・広告代理店・IT SaaSと、業種がバラバラですが、すべて採択されています。
——「正社員以外(パート・契約社員)は対象になりますか?」
雇用保険の被保険者であれば、パート・契約社員も対象になります。ただし、雇用保険に加入していないアルバイトや業務委託の人材は対象外です。
——「オンライン研修でも対象になりますか?」
対象になります。ただし、オンライン研修の場合は「受講者が実際に研修に参加していたことの証明」が求められます。Zoom等のミーティングツールのログイン/ログアウト時間のスクリーンショットを保存しておくことを推奨します。
——「2026年度の制度変更点はありますか?」
2026年5月時点では、経費助成率(中小企業75%)と賃金助成(960円/時間)に変更はありません。ただし、2026年5月以降は一部の証明書類が追加される可能性があるため、最新情報は厚生労働省の公式サイトまたは最寄りのハローワーク(労働局)でご確認ください。
まとめ:「知っているか知らないか」で数百万円の差が出る
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)は、AI研修の費用を最大75%助成する強力な制度です。弊社が支援した5社の実績では、研修費用480万円に対して助成金493.1万円を受給し、5社合計の実質負担はマイナスになっています。
- 経費助成率(中小企業):75%
- 賃金助成(中小企業):960円/時間
- 弊社支援先5社の採択率:100%(5社中5社)
- 5社合計の実質負担:−13.1万円(助成金のほうが上回る)
今日やるべきことは1つです。最寄りのハローワーク(労働局)に「人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースについて相談したい」と電話してください。または、弊社の30分無料ヒアリングで、助成金を活用した研修プランの設計を一緒に行いましょう。
AI導入全般の補助金・助成金はAI導入で使える補助金・助成金 完全ガイド【2026年最新】で、研修プログラムの設計はAI人材育成を3段階×90日で設計する方法で解説しています。
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出典・参考:
– 厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」制度概要(2026年度版)
– 厚生労働省「人材開発支援助成金」申請マニュアル
– 中小企業基本法(中小企業の定義)
– 生成AI総合研究所の支援実績データ(5社、匿名加工済み)
※本記事の情報は2026年5月時点のものです。制度内容は変更される場合があります。最新情報は厚生労働省の公式サイトをご確認ください。
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