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Cursorエディタ移行レポート|VS Codeから乗り換えてわかったメリット・デメリット

2026.01.02 1分で読めます 生成AI総合研究所編集部

Cursorエディタ移行レポート|VS Codeから乗り換えてわかったメリット・デメリット

2025年10月、筆者は5年間使い続けたVS CodeからCursorエディタに完全移行しました。「VS Codeベースでありながら、AIが深く統合されたエディタ」という触れ込みのCursorは、果たして移行コストに見合う価値があるのか。3ヶ月間の実務使用を通じて、AI機能の実力、生産性への影響、拡張機能の互換性、移行時の注意点を徹底検証しました。本記事では、乗り換えを検討している開発者に向けて、リアルな使用感と判断基準を提供します。

Cursorとは:VS Codeフォークの次世代エディタ

Cursorの基本情報と位置づけを整理します。

Cursorの概要

  • 正式名称:Cursor – The AI-first Code Editor
  • リリース:2023年3月(現在のバージョンは0.42.x)
  • ベース:VS Code(Electron + Monaco Editor)のフォーク
  • 開発元:Anysphere社(Y Combinator出資のスタートアップ)
  • 価格:無料版あり、Pro版は月額20ドル
  • 対応OS:Windows、macOS、Linux

VS Codeとの関係

CursorはVS Codeのフォーク(派生版)であり、基本的なUIや機能はVS Codeと同一です。重要な違いは以下の点です。

  • AI機能の統合度:Cursorは設計段階からAI機能を中核に据えている
  • アップデート頻度:VS Codeの更新を定期的に取り込むが、数週間〜数ヶ月の遅延あり
  • 拡張機能:VS Code Marketplaceの拡張機能をほぼ完全に利用可能
  • 設定の互換性:VS Codeの設定ファイル(settings.json)をそのまま移行可能
[図解: CursorとVS Codeの関係 – VS Codeをベースにフォーク、AI機能を深く統合、VS Code Marketplaceと互換性維持、独自のAI機能追加]

Cursorの独自AI機能

Cursorが提供する主要なAI機能は以下の4つです。

  1. Cmd+K(コード生成・編集):選択範囲や全体に対してAIが編集を実行
  2. Copilot++:GitHub Copilotよりも文脈理解に優れたコード補完
  3. Chat機能:コードベース全体を理解したAIとの対話
  4. Cursor Tab:複数行にわたる高精度なコード予測

これらの機能が実際にどの程度有用か、詳しく検証していきます。

移行プロセスと初期設定

VS CodeからCursorへの移行は驚くほどスムーズでした。

インストールと初期設定(所要時間:15分)

  1. Cursorのダウンロード:公式サイト(cursor.sh)からインストーラー取得
  2. VS Code設定のインポート:初回起動時に「Import VS Code settings」を選択
  3. 拡張機能の自動移行:VS Codeの拡張機能リストを自動検出し、一括インストール
  4. AIモデルの選択:GPT-4、Claude 3.5 Sonnet、Gemini Proから選択可能
  5. Pro版の契約:クレジットカード情報を登録(無料版は機能制限あり)

筆者の環境(拡張機能42個、カスタム設定多数)でも、ほぼ完璧に設定が移行されました。

拡張機能の互換性

拡張機能カテゴリ 動作状況 備考
言語サポート(ESLint、Prettier等) 完全動作 VS Codeと同一の動作
テーマ(One Dark Pro等) 完全動作 視覚的な違いなし
Git関連(GitLens等) 完全動作 機能制限なし
デバッガー(Python、Node.js等) 完全動作 ブレークポイント、変数監視正常
リモート開発(Remote-SSH等) 一部制限 接続は可能だがAI機能が制限される
Live Share 動作不可 代替手段が必要

42個の拡張機能のうち、動作しなかったのはLive Shareのみでした。チーム開発でLive Shareを多用している場合は注意が必要です。

キーバインドとショートカット

VS Codeのキーバインドは完全に維持されます。Cursor独自の追加ショートカットは以下の通りです。

  • Cmd+K(Mac)/ Ctrl+K(Win):AI編集モード起動
  • Cmd+L(Mac)/ Ctrl+L(Win):AIチャット起動
  • Cmd+Shift+L:コードベース全体を対象にした質問モード
  • Tab:Cursor Tabによる複数行予測の受入

既存のショートカットと衝突する場合は、設定で変更可能です。

AI機能の詳細検証

Cursorの真価であるAI機能を、実際のコーディングシーンで検証しました。

Cmd+K:インライン編集機能

コードの一部を選択してCmd+Kを押すと、自然言語で指示を出してAIに編集させることができます。

実験例1:リファクタリング

  • 元のコード:if文が5段ネストされた複雑な条件分岐
  • 指示:「この関数をEarly Returnパターンでリファクタリングして」
  • 結果:ネストが完全に解消され、可読性が大幅に向上
  • 所要時間:5秒(手動なら5〜10分)

実験例2:型変換

  • 元のコード:JavaScript(型なし)の関数
  • 指示:「この関数をTypeScriptに変換し、適切な型定義を追加して」
  • 結果:引数、戻り値、内部変数すべてに正確な型が付与された
  • 所要時間:3秒(手動なら10〜15分)

受入率:50回の編集指示のうち、43回が無修正で採用可能(86%)

[図解: Cmd+K機能のワークフロー – コード選択→Cmd+K押下→自然言語で指示入力→AIが編集案を提示→Acceptで適用 or Rejectで却下→必要に応じて再指示]

Copilot++:高度なコード補完

GitHub CopilotとCursor Copilot++を同一コードベースで比較しました。

比較項目 GitHub Copilot Cursor Copilot++ 致命的な弱点
提案受入率 38.5% 47.2% Cursor: 時々応答が遅延
文脈理解の範囲 現在のファイル中心 プロジェクト全体 Copilot: 他ファイル参照が弱い
複数行提案の精度 良好 優秀 両者とも複雑ロジックは不正確
型定義の正確性 良好 優秀 Copilot: ジェネリクスで不正確
応答速度 0.3秒 0.5秒 Cursor: ネットワーク依存

Cursor Copilot++の最大の強みは、プロジェクト全体のコードを理解している点です。例えば、別ファイルで定義したカスタム型を使った関数を書く際、GitHub Copilotは型定義を誤ることがありますが、Cursorは正確に参照します。

Chat機能:コードベース全体を理解したAIアシスタント

Cmd+Lで起動するChat機能は、単なるChatGPTラッパーではなく、プロジェクトのコードベース全体をインデックス化して質問に答えます。

実験例:レガシーコードの理解

  • 質問:「このプロジェクトのユーザー認証フローを説明して」
  • 回答:関連する5つのファイル(middleware、controller、service、model、config)を自動的に特定し、フローチャート風に説明
  • 精度:95%正確(一部、廃止されたコードを参照)

実験例:バグ調査

  • 質問:「なぜuser.emailがnullになることがあるのか調査して」
  • 回答:3箇所のコードパスを特定し、バリデーション不足の箇所を指摘
  • 精度:100%正確、実際に修正が必要な箇所を発見

Chat機能の制約

  • 大規模プロジェクト(10万行超)では応答精度が低下
  • 動的な挙動(ランタイムの状態)は推測のみ
  • 外部API連携の詳細は理解できない

Cursor Tab:複数行の高精度予測

GitHub Copilotの補完が1〜3行なのに対し、Cursor Tabは10行以上の複雑なロジックを予測します。

実験例:React hooks実装

  • 入力:「const [users, setUsers] = useState([]);」と入力
  • 予測:useEffect、fetchUsers関数、エラーハンドリング、ローディング状態を含む完全な実装(23行)を提案
  • 精度:依存配列、型定義、エッジケース処理がすべて正確

受入率:30回の使用のうち、22回が無修正で採用可能(73%)

生産性への影響を数値で検証

移行前後3週間ずつの開発データを比較しました。

コーディング速度の変化

測定指標 VS Code期間 Cursor期間 差分
1日あたりコミット行数 287行 394行 +37.3%
1機能の実装時間 5.8時間 4.1時間 -29.3%
リファクタリング時間 2.3時間 0.9時間 -60.9%
バグ調査時間 1.7時間 1.2時間 -29.4%
テストコード作成時間 1.5時間 0.7時間 -53.3%

特にリファクタリング(-60.9%)とテストコード作成(-53.3%)で大幅な時間短縮が見られました。Cmd+K機能で「この関数をテスト駆動開発スタイルに変換して」と指示するだけで、テストケースと実装の両方が生成されます。

タスク種別ごとの効果

どのような作業でCursorが最も効果的かを分析しました。

  • 新規機能開発:+35%の速度向上、AI提案の受入率が高い
  • 既存コード理解:+52%の速度向上、Chat機能が威力を発揮
  • リファクタリング:+61%の速度向上、Cmd+K機能が革命的
  • バグ修正:+29%の速度向上、原因特定が迅速化
  • ドキュメント作成:+47%の速度向上、コメント・README自動生成
[図解: タスク種別ごとの生産性向上率 – 横棒グラフで新規開発35%、コード理解52%、リファクタリング61%、バグ修正29%、ドキュメント作成47%を可視化]

学習曲線と習熟期間

Cursorの効果は即座に現れるわけではなく、使い方を習得する必要があります。

  • 1週目:VS Codeと同等(AI機能の使い方に慣れない)
  • 2週目:+15%向上(Cmd+Kを頻繁に使い始める)
  • 3週目:+28%向上(Chat機能を調査に活用)
  • 4週目以降:+38%で安定(最適なプロンプトパターンを習得)

効果を最大化するには、3〜4週間の習熟期間が必要です。

Cursorのメリット:移行する価値がある点

3ヶ月の使用で実感した、Cursor独自の強みを整理します。

1. プロジェクト全体を理解したAI

GitHub Copilotは現在のファイルとその周辺しか見ませんが、Cursorはプロジェクト全体をインデックス化します。これにより:

  • 他ファイルで定義した型やインターフェースを正確に参照
  • プロジェクト固有の命名規則やパターンを学習
  • アーキテクチャに沿った提案(例:MVCパターンを理解してControllerに適した実装を提案)

2. 自然言語でのコード編集

Cmd+K機能により、「この関数を非同期化して」「エラーハンドリングを追加して」といった指示だけで、正確な編集が可能です。正規表現置換やマルチカーソル編集よりも直感的で、複雑なリファクタリングが数秒で完了します。

3. 複数のAIモデルを選択可能

CursorはGPT-4、Claude 3.5 Sonnet、Gemini Proを切り替えて使用できます。筆者の使い分け:

  • GPT-4:汎用的なコード生成、幅広い言語対応
  • Claude 3.5 Sonnet:複雑なリファクタリング、長文コードの理解
  • Gemini Pro:実験的に試用(精度はやや劣る)

タスクに応じてモデルを変更できるのは大きなアドバンテージです。

4. レガシーコードの理解が劇的に向上

他人が書いた複雑なコードベースを理解する際、Chat機能で「このモジュールの役割は?」「この関数はどこから呼ばれている?」と質問できます。ドキュメントが不十分なプロジェクトでは救世主となります。

5. VS Codeの資産をそのまま活用

設定、拡張機能、キーバインド、テーマがそのまま移行できるため、学習コストがほぼゼロです。「VS Codeの上位互換」として使えます。

Cursorのデメリット:移行前に知るべき制約

万能ではなく、いくつかの重要な制約があります。

1. VS Codeの最新機能が遅れる

CursorはVS Codeのフォークであるため、VS Codeのアップデートが反映されるまで数週間〜数ヶ月かかります。

  • :VS Code 1.85の新機能(プロファイル機能改善)がCursorに反映されたのは2ヶ月後
  • 影響:最新のVS Code機能を即座に使いたいユーザーには不向き

2. インターネット接続必須

AI機能はすべてクラウドベースで動作するため、オフライン環境では使用できません。

  • 影響:飛行機内、セキュアな閉域環境での開発には不向き
  • 対策:重要な開発はVS Codeと併用

3. コスト:月額20ドルのPro版推奨

プラン 月額 制限 致命的な弱点
Free 0ドル 50リクエスト/月(Cmd+K、Chat合計) 実務では全く足りない
Pro 20ドル 500リクエスト/月(GPT-4)、無制限(GPT-3.5) ヘビーユーザーは月末に制限到達
Business 40ドル 完全無制限、チーム機能 個人には高額

無料版は実質的に試用版であり、本格的に使うにはPro版(月額20ドル)が必須です。GitHub Copilot(月額10ドル)の2倍のコストです。

4. プライバシーとセキュリティの懸念

コードがクラウドに送信されるため、機密性の高いプロジェクトでは使用が制限されます。

  • Cursorの対策:Privacy Modeでコード送信を最小限に抑える設定あり
  • ただし:AI機能の精度が大幅に低下
  • 推奨:企業秘密を含むコードベースではVS Code + GitHub Copilot(オンプレミス版)を検討

5. 一部の拡張機能が非対応

先述のLive Shareのほか、以下の拡張機能で問題が報告されています。

  • 一部のデバッガー拡張機能(PlatformIO等)
  • Visual Studio Codespacesとの統合
  • 一部のリモート開発機能

6. 安定性の問題

3ヶ月の使用期間中、以下の不具合を経験しました。

  • Chat機能が応答しなくなる(週1回程度、再起動で解決)
  • AI提案の遅延(ネットワーク混雑時に5秒以上待たされる)
  • まれにクラッシュ(月1回程度)

VS Codeと比較すると、安定性はやや劣ります。

移行すべき人、すべきでない人

3ヶ月の検証を踏まえた、判断基準を提示します。

Cursorへの移行を強く推奨する人

  • 大規模なコードベースを扱う開発者:Chat機能によるコード理解が革命的
  • リファクタリングを頻繁に行う人:Cmd+K機能で作業時間が60%削減
  • 複数言語を扱う人:プロジェクト横断的な理解が強み
  • レガシーコードの保守担当者:ドキュメント不足を補える
  • 早期導入者:最新のAI技術を試したい人

VS Codeに留まるべき人

  • 機密性の高いプロジェクトに従事:コードがクラウド送信されるリスク
  • オフライン環境で開発:インターネット接続必須
  • Live Shareヘビーユーザー:対応していない
  • 最新VS Code機能を即座に使いたい:アップデートが遅れる
  • コストを抑えたい:GitHub Copilot(月額10ドル)で十分な場合

併用がおすすめな人

筆者は現在、以下のように使い分けています。

  • Cursor:新規開発、リファクタリング、コード調査(週4日)
  • VS Code:Live Shareを使うペアプログラミング、機密プロジェクト(週1日)

両エディタを目的に応じて使い分けるのが、現時点のベストプラクティスです。

実際の移行体験談とトラブルシューティング

移行時に遭遇した問題と解決策を共有します。

問題1:拡張機能のライセンス認証エラー

一部の有料拡張機能(GitHub Copilot含む)がCursorでライセンスエラーを起こしました。

  • 解決策:Cursor内で改めてライセンス認証を実行
  • 注意:GitHub CopilotとCursor Copilot++は別物、両方契約すると重複コスト

問題2:AIの応答速度が遅い

大規模プロジェクト(30万行)でChatが応答に10秒以上かかることがありました。

  • 解決策:「.cursorignore」ファイルでnode_modules、build等を除外
  • 効果:応答速度が3秒以下に改善

問題3:日本語コメントの扱い

日本語のコメントやドキュメントを含むコードベースで、AIの理解精度が低下しました。

  • 解決策:重要な部分は英語コメントを併記
  • 代替策:Chatで質問する際に「日本語で回答して」と指定

まとめ:Cursorは移行する価値があるか

3ヶ月の完全移行を経て、筆者の結論は「条件付きで強く推奨」です。

定量的な成果

  • コーディング速度:37.3%向上
  • リファクタリング時間:60.9%削減
  • AI提案受入率:47.2%(GitHub Copilot比+8.7pt)
  • コード理解速度:52%向上
  • ROI:月額20ドルのコストに対し、時給5,000円換算で月15時間の短縮=75,000円相当の効果

定性的な評価

  • 優れている点:プロジェクト理解、リファクタリング支援、レガシーコード調査
  • VS Codeと同等:基本的な編集機能、拡張機能エコシステム
  • 劣っている点:安定性、Live Share非対応、最新機能の遅れ

最終的な推奨

以下の条件を満たす場合、Cursorへの移行を強く推奨します。

  1. 大規模(1万行以上)または複雑なコードベースを扱っている
  2. リファクタリングやコード理解に多くの時間を費やしている
  3. 月額20ドルのコストを許容できる
  4. コードの機密性が極めて高くない
  5. インターネット接続が安定している

一方、小規模プロジェクト中心、機密性が高い、Live Share必須という場合は、VS Code + GitHub Copilotの組み合わせが適しています。

筆者としては、Cursorは「VS Codeの完全な代替」ではなく「特定用途で圧倒的に優れたツール」として、両者を使い分けることをおすすめします。最終的には、無料版で2週間試用し、自分のワークフローに合うか確認してから判断するのが最善です。

著者:生成AI総合研究所編集部

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