メニュー

AI建設・ConTechツール完全ガイド【2026年最新】BIM・施工管理・安全管理30選

2025.12.17 1分で読めます 生成AI総合研究所編集部

AI建設・ConTechツール完全ガイド【2026年最新】BIM・施工管理・安全管理30選

建設業界は今、人工知能によって大きな変革期を迎えています。深刻な人手不足、熟練技能者の高齢化、生産性向上の要請、そして2024年問題への対応など、建設業界が直面する課題は山積しています。これらの課題を解決する手段として、AIを活用した「ConTech(コンストラクションテック)」への注目が高まっています。BIM(Building Information Modeling)との連携、画像AIによる施工管理・安全管理、自動施工機械、ドローン測量など、建設のあらゆる工程でAIが活躍しています。本記事では、建設会社の経営者、現場監督、DX推進担当者、そして建設テクノロジーに関心を持つすべての方に向けて、最新のAI建設ツールを徹底的に解説します。

日本の建設業就業者数は、ピーク時の1997年から約30%減少し、高齢化も進んでいます。55歳以上の割合は35%を超え、若年層の入職は減少傾向にあります。一方で、インフラの老朽化対策、防災・減災工事、都市開発など、建設需要は底堅く推移しています。AIは、熟練技能者のノウハウをデジタル化し、少ない人員でも高品質な施工を可能にします。本ガイドでは、設計・BIM、施工管理、安全管理、自動施工、測量、積算・見積まで、建設の各領域をカバーする厳選ツールを詳しくご紹介します。

目次

  1. AI設計・BIM連携ツール
  2. AI施工管理・進捗管理ツール
  3. AI安全管理・災害防止ツール
  4. AIドローン測量・点群処理ツール
  5. 自動施工・建設ロボットツール
  6. AI積算・見積・原価管理ツール
  7. AIインフラ点検・診断ツール
  8. 主要ツール比較表
  9. 建設AI導入の成功ポイント
  10. 建設AIの将来展望
  11. よくある質問

AI設計・BIM連携ツール

BIM(Building Information Modeling)は、建物の3Dモデルに属性情報を付加したデジタルツインで、設計から施工、維持管理までのライフサイクル全体で活用されます。AIとBIMの連携により、設計の最適化、干渉チェックの自動化、積算の効率化などが実現しています。また、生成AIを活用した設計支援も登場し、設計業務の生産性向上が期待されています。

Autodesk Revit + Forma

AutodeskのRevitは、建築・構造・設備のBIMソフトウェアとして世界で最も広く利用されています。「Forma」(旧Spacemaker)は、AIを活用した設計初期段階の検討ツールで、敷地条件、日照、風、騒音などを自動分析し、最適な建物配置やボリュームを提案します。設計案を複数生成し、性能比較を通じて意思決定を支援します。

「Autodesk Construction Cloud」では、BIMデータを施工現場と共有し、AIが設計変更の影響分析、コスト予測、スケジュール最適化を支援します。「Model Coordination」機能は、複数分野のモデルを統合し、干渉箇所をAIが自動検出します。日本でも大手ゼネコン、設計事務所での導入が進んでいます。

Bentley Systems iTwin

Bentley Systemsは、インフラ設計・エンジニアリングソフトウェアの大手として、「iTwin」プラットフォームでデジタルツインを推進しています。BIM/CADデータ、IoTセンサーデータ、現場写真などを統合し、インフラのデジタルツインを構築します。AIが変化を検知し、保守や改修の意思決定を支援します。

「SYNCHRO」は、4D(3D+時間)BIMを活用した施工計画・管理ツールで、工程表とBIMモデルを連携させ、施工シミュレーションを行います。AIがリソース配分を最適化し、工期短縮とコスト削減を支援します。道路、橋梁、鉄道、プラントなど、大規模インフラプロジェクトで広く利用されています。

Graphisoft Archicad

Archicadは、ハンガリー発のBIMソフトウェアとして、建築設計分野で高い評価を得ています。直感的なモデリングと美しいビジュアライゼーションが特徴で、設計事務所での利用が多いです。「AI Visualizer」では、AIによるリアルタイムレンダリングで、設計段階からフォトリアリスティックなイメージを確認できます。

「BIMcloud」はチームコラボレーション環境を提供し、複数の設計者が同時に一つのモデルで作業できます。「Solibri」との連携により、設計品質チェックと規制適合確認を自動化できます。日本語対応も充実しており、国内の設計事務所での導入が増えています。

TestFit

TestFitは、AIを活用した不動産開発の設計自動化ツールです。敷地条件(形状、用途地域、日影規制等)を入力すると、AIが実現可能な建物配置と間取りを自動生成します。集合住宅、オフィス、商業施設など、様々な用途に対応しています。開発可能性の検討や、事業収支シミュレーションの初期段階で威力を発揮します。

数秒で数百のバリエーションを生成し、住戸数、駐車台数、容積率消化などのKPIで比較評価できます。開発事業者、設計事務所、不動産会社が土地取得判断や基本計画策定に活用しています。米国を中心に導入が進み、日本市場への展開も始まっています。

AI施工管理・進捗管理ツール

施工管理は、品質、工程、安全、原価を管理する建設プロジェクトの要です。AIを活用した施工管理ツールは、現場の写真・映像から進捗を自動認識したり、工程の遅延リスクを予測したり、書類作成を効率化したりします。熟練の現場監督の判断をAIがサポートすることで、少人数でも高品質な管理が可能になります。

Buildots

Buildotsは、イスラエル発の建設AI企業として、360度カメラとAIによる施工進捗自動追跡システムを提供しています。作業員がヘルメットに取り付けた360度カメラで現場を歩くだけで、AIがBIMモデルと比較して進捗を自動認識します。従来は現場監督が目視で確認していた作業を、AIが客観的かつ網羅的に実施します。

「Progress Tracking」機能では、工種ごとの出来高を自動計測し、工程表と比較して遅延をアラートします。「Quality Control」では、仕様との差異(位置ずれ、欠損等)を検出します。週次での撮影と分析により、問題の早期発見と迅速な対応が可能になります。英国、米国、カナダの大手ゼネコンが導入しています。

OpenSpace

OpenSpaceは、360度カメラで撮影した現場映像をクラウドに自動アップロードし、AIが現場のデジタルマップを生成するプラットフォームです。Google ストリートビューのように、過去の現場状況を時系列で閲覧できます。BIMモデルとの重ね合わせ、計測、注釈追加などの機能も備えています。

「BIM Compare」機能では、AIが現場写真とBIMモデルを比較し、差異を自動検出します。設計図通りに施工されているか、後戻りなく確認できます。遠隔地からでも現場状況を把握できるため、本社と現場の連携が向上し、出張コストの削減にもつながります。米国を中心に、世界で10,000以上のプロジェクトで利用されています。

Procore

Procoreは、建設プロジェクト管理のクラウドプラットフォームとして、世界最大級のシェアを持っています。プロジェクト管理、財務管理、品質・安全管理、協力会社管理などの機能を統合し、建設プロジェクトのあらゆる情報を一元管理します。モバイルアプリで現場からリアルタイムに情報共有が可能です。

「Procore AI」は、プラットフォーム上の膨大なデータから学習し、リスク予測、品質問題の傾向分析、RFI(情報提供依頼)の自動分類などを行います。「Analytics」機能では、プロジェクトのパフォーマンスをダッシュボードで可視化し、意思決定を支援します。北米を中心に、日本を含む世界150カ国以上で利用されています。

ANDPAD

ANDPADは、日本発の建設・建築業界向けプロジェクト管理アプリとして、国内で広く利用されています。施工管理、図面共有、写真管理、日報、チャットなどの機能を統合し、現場とオフィスの情報共有を効率化します。使いやすいUIで、ITに不慣れな職人でもすぐに使いこなせます。

「ANDPAD 黒板」は、電子小黒板機能で、写真撮影と同時に工事情報を自動付加します。「ANDPAD 図面」では、図面上に直接コメントや写真を紐づけ、指摘事項の管理を効率化します。ハウスメーカー、工務店、リフォーム会社、ゼネコンまで、幅広い規模の企業で導入されています。

Photoruction

Photoruction(フォトラクション)は、建設現場の写真管理と図面管理に特化したクラウドサービスです。撮影した写真を図面上にピン留めし、位置情報と紐づけて管理できます。AI-OCRによる黒板文字の自動認識、写真の自動分類などの機能で、書類作成の手間を削減します。

「工事写真台帳」機能では、国土交通省の電子納品基準に準拠した写真台帳を自動生成します。煩雑な写真整理と台帳作成作業を大幅に効率化できます。ゼネコン、サブコン、建築設計事務所など、日本の建設業界で広く利用されています。

AI安全管理・災害防止ツール

建設業は、全産業の中で最も労働災害が多い業種の一つです。墜落・転落、建設機械との接触、飛来・落下物など、様々な危険が存在します。AIを活用した安全管理ツールは、現場カメラの映像から危険行動を検知したり、建機と作業員の接近を警告したり、事故リスクを予測したりします。

SMARTVIL(Daiwa House)

SMARTVILは、大和ハウス工業が開発した建設現場のAI安全監視システムです。現場に設置したカメラの映像をAIがリアルタイムで分析し、ヘルメット未着用、安全帯未装着、危険区域への立入りなどの不安全行動を検知してアラートを発報します。従来の人による巡視を補完し、常時監視を実現します。

検知した危険行動はクラウドに蓄積され、傾向分析や安全教育に活用できます。どの場所で、どの時間帯に、どのような不安全行動が多いかを可視化し、効果的な安全対策の立案を支援します。大和ハウスの自社現場で実績を積み、外部への提供も開始しています。

Smartvid.io

Smartvid.ioは、現場の写真・映像からAIが安全リスクを自動検出するプラットフォームです。保護具の着用状況、足場の状態、開口部の養生など、数百種類の安全項目をAIが分析します。現場監督が撮影した写真をアップロードするだけで、AIがリスクをスコアリングします。

「Preconstruction Risk Score」では、過去のプロジェクトデータから新規プロジェクトのリスクを予測します。類似プロジェクトでの事故傾向、気象条件、作業内容などを考慮し、事前に重点的な安全対策を立案できます。米国の大手ゼネコン(Skanska、Suffolk等)が導入しています。

Pillar Technologies(REEF)

Pillar Technologies(現在はREEF傘下)は、建設現場のIoT環境モニタリングシステムを提供しています。温度、湿度、粉塵、揮発性有機化合物(VOC)、騒音などをセンサーで測定し、作業員の健康リスクや施工品質への影響をリアルタイムで監視します。

特にコンクリート養生期間中の温湿度管理、塗装・接着作業時のVOC濃度監視、防水工事時の湿度チェックなど、品質管理と連動した安全管理に有効です。閾値を超えた場合はアラート通知し、記録は品質保証のエビデンスとしても活用できます。

Triax(Spot-r)

Triaxは、ウェアラブルデバイスとIoTプラットフォームで建設現場の安全と生産性を向上させます。「Spot-r Clip」は作業員が身につける小型デバイスで、位置情報、滞在時間、避難状況などをリアルタイムで追跡します。緊急時の安否確認や、入退場管理に活用できます。

「EvacAlert」機能では、緊急事態発生時に全作業員に一斉通知し、避難状況をリアルタイムで把握できます。また、高所作業エリアへの立入りを検知して警告する「Zone Alert」機能も備えています。大規模建設現場での作業員管理に有効で、米国の主要ゼネコンが導入しています。

AIドローン測量・点群処理ツール

ドローン測量は、建設現場の測量作業を劇的に効率化しました。従来は測量士が地上を歩いて測量していた作業を、ドローンが空から短時間で完了します。取得した航空写真や点群データをAIで処理し、3Dモデル、等高線図、土量計算などを自動生成します。

DJI Terra

DJI Terraは、DJIドローンで撮影した画像から3Dモデルと地図を生成するソフトウェアです。写真測量処理により、オルソ画像(正射投影画像)、数値表層モデル(DSM)、点群データを生成します。ミッション計画機能も備え、撮影エリアと飛行ルートを事前に設定できます。

「Mesh」モデルでは、建物や地形の3Dテクスチャモデルを生成し、ビジュアライゼーションや干渉チェックに活用できます。BIMソフトウェアへの出力にも対応しています。DJIドローンとの親和性が高く、ワンストップで測量ワークフローを完結できます。

Pix4Dmapper

Pix4Dmapperは、写真測量ソフトウェアのグローバルスタンダードとして、建設、測量、農業など幅広い分野で利用されています。ドローンで撮影した写真から、高精度なオルソモザイク、点群、3Dモデルを生成します。GCP(地上基準点)との組み合わせで、測量レベルの精度を達成できます。

「rayCloud」エディターでは、点群の編集、計測、注釈追加が可能です。「Volume Calculation」機能では、切土・盛土の土量を自動計算し、進捗管理や出来形管理に活用できます。クラウド版「Pix4Dcloud」では、処理をクラウドに任せ、高性能PCがなくても利用できます。

Propeller Aero

Propeller Aeroは、建設・採掘・廃棄物処理現場向けのドローン測量・分析プラットフォームです。PPK(後処理キネマティック)補正対応のシステムで、GCPなしでも高精度な測量が可能です。取得した点群データはクラウドで処理され、ブラウザベースの3Dビューアーで閲覧・分析できます。

「DirtMate」機能では、現場の土量変化を定期的に追跡し、設計面との比較で切盛土量を管理します。ダッシュボードで進捗を可視化し、施工管理者と発注者で情報を共有できます。オーストラリア発の企業として、土木工事、採石場、廃棄物処理場での導入実績が豊富です。

KOMATSU Smart Construction

コマツのスマートコンストラクションは、ドローン測量からICT建機による施工まで、土木工事のデジタル化を総合的に支援するサービスです。「Smart Construction Edge」ドローンで現況測量を行い、設計データと比較して施工量を算出します。取得したデータはクラウドで管理され、施工管理に活用されます。

「Smart Construction Dashboard」では、日々の出来高、機械稼働状況、工程進捗を可視化します。「Smart Construction Retrofit」では、既存の建機にICT機能を後付けすることも可能です。i-Construction推進のリーディングソリューションとして、日本の土木現場で広く利用されています。

自動施工・建設ロボットツール

建設ロボットと自動施工機械は、人手不足の解決策として急速に発展しています。溶接ロボット、鉄筋結束ロボット、墨出しロボット、外壁施工ロボットなど、様々な作業の自動化が進んでいます。AIは、ロボットの環境認識、動作計画、品質管理を担い、現場での自律的な作業を可能にします。

Shimizu SHIMZ Smart Site

清水建設は、「SHIMZ Smart Site」として、自社開発の建設ロボット群を現場に投入しています。「Robo-Welder」は溶接ロボット、「Robo-Buddy」は資材搬送ロボット、「Robo-Carrier」は重量物運搬ロボットです。AIが作業計画を立案し、複数ロボットが協調して作業します。

現場の3Dスキャンデータを取り込み、ロボットが自己位置を認識しながら作業を進めます。溶接箇所の品質はAIカメラで自動検査し、人間による目視確認の負担を軽減します。高層ビル建設現場での実証を経て、本格的な現場展開を進めています。

Dusty Robotics

Dusty Roboticsは、建設現場の墨出し(レイアウトマーキング)を自動化するロボット「FieldPrinter」を開発しています。BIMデータを取り込み、床面に壁、ドア、電気配線、配管などの位置を自動印刷します。従来は作業員が巻尺とチョークラインで行っていた作業を、高精度かつ高速に実行します。

精度は±1/16インチ(約1.6mm)で、従来の手作業より高精度です。1日で25,000平方フィート(約2,300㎡)の墨出しが可能で、手作業の5-10倍の生産性を実現します。DPR Construction、Swinerton、Rosendinなど、米国の大手ゼネコン・サブコンが導入しています。

Canvas(Drywall Finishing Robot)

Canvasは、乾式壁(石膏ボード)の仕上げ作業を自動化するロボットを開発しています。石膏ボードのジョイント処理、パテ塗り、サンディングなど、熟練工が必要な作業をロボットが実行します。3Dセンシングで壁面を認識し、AIが最適な塗布パターンを計算します。

乾式壁仕上げは、建設業界で最も人手不足が深刻な職種の一つです。Canvasのロボットは、熟練工と同等以上の品質で作業を完了し、人間は監督と品質確認に集中できます。カリフォルニア、ニューヨークなどの住宅・商業建設現場で導入が進んでいます。

Hilti Jaibot

Hilti(ヒルティ)は、建設用工具の世界的メーカーとして、「Jaibot」というドリリングロボットを開発しました。天井への穴あけ作業を自動化し、BIMデータに基づいて正確な位置に穴を開けます。設備工事での吊りボルト用穴あけなど、繰り返しの穴あけ作業に威力を発揮します。

作業員は重いドリルを持ち上げて天井に穴を開ける重労働から解放され、ロボットの監視と次の作業準備に集中できます。人間工学的な負担軽減と生産性向上を両立しています。欧州、米国で導入が始まり、日本市場への展開も期待されています。

AI積算・見積・原価管理ツール

積算・見積は、建設プロジェクトの採算性を左右する重要な業務です。図面から数量を拾い出し、単価を適用して工事費を算出する作業は、熟練と多大な時間を要します。AIを活用した積算ツールは、図面の自動認識、数量の自動拾い出し、類似案件からの単価推定などで、積算業務を効率化します。

ANDPAD 積算

ANDPAD積算は、建設業向けクラウド積算システムです。積算データベースと連携し、工種・仕様を選択して積算書を作成します。過去の案件データを蓄積し、類似案件の単価を参照することで、見積精度を向上させます。ANDPADの施工管理システムと連携し、実行予算との比較管理も可能です。

クラウドベースのため、複数のユーザーが同時に作業でき、チームでの積算業務に適しています。また、積算書のテンプレート機能で、会社独自のフォーマットに対応できます。工務店、リフォーム会社、中小ゼネコンなど、幅広い規模の企業で利用されています。

Bluebeam Revu

Bluebeam Revuは、PDFベースの建設図書管理・マークアップツールとして、北米で圧倒的なシェアを持っています。図面PDFに注釈、計測、マークアップを追加し、チームで共有・レビューできます。「Takeoff」機能では、図面上の寸法を自動認識し、面積・長さ・数量を算出します。

「Revu Studio」では、リアルタイムでチームメンバーと同じ図面を共有し、協調作業が可能です。AIが図面の変更箇所を自動検出する「Overlay」機能も便利です。積算専用ソフトほどの機能はありませんが、図面確認から簡易積算までの流れをシームレスに実行できます。

Togal.AI

Togal.AIは、建設図面からAIが自動的に数量を拾い出す積算支援ツールです。平面図PDFをアップロードすると、AIが部屋、壁、ドア、窓などを自動認識し、面積や長さを算出します。従来は熟練の積算担当者が時間をかけて行っていた数量拾い出しを、数分で完了します。

認識精度は継続的に向上しており、熟練者の手作業に迫る水準に達しています。商業建築、住宅、改修工事など、様々な建物タイプに対応しています。積算担当者の生産性を数倍に高め、より多くの案件に対応できるようになります。米国のゼネコン・サブコンで導入が進んでいます。

AIインフラ点検・診断ツール

日本のインフラ(道路、橋梁、トンネル、上下水道等)の多くは高度経済成長期に建設され、老朽化が進んでいます。効率的な点検・診断と、計画的な維持管理が必要です。AIを活用したインフラ点検ツールは、画像認識によるひび割れ検出、劣化予測、点検業務の効率化などに貢献しています。

富士通 インフラ点検AI

富士通は、AIを活用したインフラ点検ソリューションを提供しています。ドローンやカメラで撮影した画像から、AIがひび割れ、剥離、腐食などの変状を自動検出します。検出された変状は、位置情報とともにデータベースに登録され、経年変化の追跡や補修計画の立案に活用されます。

橋梁、トンネル、ダム、港湾施設など、様々なインフラに対応しています。国土交通省の定期点検要領に準拠した判定支援も行い、点検技術者の負担を軽減します。自治体、高速道路会社、鉄道会社などで導入が進んでいます。

NEC インフラ診断サービス

NECは、AI画像解析とIoTセンサーを組み合わせたインフラ診断サービスを提供しています。高解像度カメラで撮影した画像をAIが解析し、0.2mm幅のひび割れも検出します。3D点群データとの組み合わせで、変状の位置と規模を正確に把握できます。

「社会インフラデジタルツイン」では、現実のインフラをデジタル空間に再現し、劣化シミュレーションや維持管理計画の最適化を行います。センサーデータをリアルタイムで取り込み、異常の早期検知も可能です。

Inspire(イクシス)

イクシスの「Inspire」は、AI外観検査システムとして、インフラ・建築物・プラントなどの点検に活用されています。カメラやドローンで撮影した画像をAIが解析し、ひび割れ、錆、漏水跡などの変状を自動検出します。検出結果は変状図として出力され、点検報告書の作成を効率化します。

AIモデルは継続的に学習を重ね、検出精度を向上させています。また、各社の点検基準に合わせたカスタマイズにも対応しています。電力会社、ガス会社、鉄道会社、自治体など、インフラ管理者からの導入が進んでいます。

主要ツール比較表

各カテゴリの主要ツールを機能・特徴の観点から比較しました。自社のニーズに合ったツール選定の参考にしてください。

施工管理ツール比較

ツール名 主な機能 AI機能 対象企業 特徴
Buildots 進捗自動追跡 画像認識、BIM比較 大手ゼネコン 360度カメラ、高精度
OpenSpace 現場記録、可視化 BIM比較、差異検出 大手〜中堅 使いやすさ、遠隔確認
Procore プロジェクト管理全般 リスク予測、分析 大手〜中堅 統合プラットフォーム
ANDPAD 施工管理、写真管理 OCR 中小〜大手 日本市場特化、使いやすさ
Photoruction 写真・図面管理 自動分類、OCR 中小〜大手 写真台帳自動生成

建設ロボット比較

ツール名 作業内容 自動化レベル 導入事例 特徴
SHIMZ Smart Site 溶接、搬送 高(協調作業) 清水建設現場 複数ロボット協調
Dusty Robotics 墨出し 高(自律作業) 米国ゼネコン BIM連携、高精度
Canvas 乾式壁仕上げ 高(自律作業) 米国住宅建設 熟練工不足解消
Hilti Jaibot 天井穴あけ 中(監視下作業) 設備工事 人間工学改善

建設AI導入の成功ポイント

建設AIツールを効果的に導入するには、技術導入だけでなく、組織・プロセスの変革も必要です。以下に主要な成功要因を整理しました。

現場の課題から始める

「AI導入」を目的化せず、解決すべき課題を明確にしましょう。「安全パトロールの人員が足りない」「写真整理に時間がかかりすぎる」「進捗報告の精度を上げたい」など、具体的な課題を起点にツールを選定します。現場の声を丁寧に聞き、本当に困っていることを把握することが重要です。

段階的な導入

いきなり全現場への展開ではなく、パイロット現場での実証から始めましょう。効果を検証し、課題を洗い出し、運用ノウハウを蓄積してから横展開します。特に建設現場は一つとして同じものがなく、現場特性に応じた適用方法を見極める必要があります。

現場作業員の巻き込み

AIツールを使うのは現場の作業員です。導入初期から現場の意見を取り入れ、使いやすさを追求しましょう。IT機器に不慣れな作業員でも使えるUI、現場の通信環境への対応、手袋をしたままでも操作できるインターフェースなど、現場目線での評価が重要です。

データ活用の仕組み

AIが収集・生成したデータを、意思決定に活用する仕組みを構築しましょう。進捗データを工程会議で共有する、安全検知データを安全教育に活用する、積算データを次回見積に反映するなど、データが業務改善につながるサイクルを回すことで、継続的な効果が得られます。

建設AIの将来展望

建設業におけるAI活用は今後さらに進化し、業界の姿を大きく変えていくでしょう。以下に注目すべきトレンドを紹介します。

自律施工の実現

複数の建設ロボットがAIで協調し、人間の介入なしに施工を進める「自律施工」の実現が近づいています。3Dプリンティング建築、自動運転建機、ドローン施工など、様々な技術が融合し、工場生産のような品質と効率で建設を行う時代が来るでしょう。

生成AIの建設応用

ChatGPTに代表される生成AIは、建設業務でも活用が始まっています。仕様書・報告書の作成支援、設計案の生成、安全指示書の多言語翻訳、過去事例の検索など、様々な場面で業務を効率化します。また、対話型インターフェースにより、専門知識がなくてもAIツールを活用しやすくなります。

デジタルツインの高度化

BIM/CIMとIoTセンサーの連携により、建設中・竣工後の建物・インフラのデジタルツインが高度化しています。リアルタイムのデータを反映したシミュレーション、AI予測に基づく予防保全、ライフサイクル全体での最適化など、デジタルツインが建設・維持管理の中核となります。

よくある質問

Q1: 建設AIは中小企業でも導入できますか?

導入できます。ANDPADやPhotoructionのようなクラウドサービスは、月額課金で初期投資を抑えて利用できます。スマートフォンで写真を撮影するだけのシンプルな使い方から始められます。補助金(ものづくり補助金、IT導入補助金等)を活用すれば、さらにコストを抑えられます。まずは一つの現場で試し、効果を確認してから拡大していくアプローチがお勧めです。

Q2: 建設ロボットのROIはどの程度ですか?

作業内容、現場規模、人件費によって大きく異なります。墨出しロボット(Dusty Robotics)の場合、生産性5-10倍向上で投資回収期間1-2年程度とされています。乾式壁仕上げロボット(Canvas)は、人手不足で職人を確保できない場合の代替手段として、ROI計算を超えた価値があります。自動運転建機は、大規模土木工事での導入効果が高いです。

Q3: BIMとAIの連携には何が必要ですか?

まずはBIMデータの品質確保が重要です。AIがBIMと現場を比較するには、BIMが正確で最新である必要があります。また、データフォーマットの標準化(IFC等)、BIMと他システムの連携基盤(CDE:共通データ環境)の整備も必要です。段階的に、BIMの活用度を高めながらAI連携を進めていくアプローチが現実的です。

Q4: 現場でのネット環境が悪くてもAIツールは使えますか?

多くのツールはオフライン対応機能を備えています。現場でデータを収集・保存し、通信環境の良い場所(事務所、宿舎等)でまとめてアップロードする運用が可能です。また、エッジAI(現場のデバイスでAI処理を実行)に対応したツールも増えており、通信に依存しない使い方ができます。ただし、リアルタイム性が求められる安全監視などは、通信環境の確保が前提となります。

Q5: AI導入で職人の仕事は奪われますか?

建設業界は深刻な人手不足に直面しており、AIは仕事を奪うのではなく補完するものです。単純作業や危険作業はAI・ロボットが担い、人間は判断、調整、創造的な仕事に集中できるようになります。また、熟練技能者のノウハウをAIに学習させることで、技能伝承にも貢献します。職人のスキルはAIに代替されるのではなく、AIと協働することで価値が高まります。

まとめ

建設業界におけるAI活用は、設計・BIM、施工管理、安全管理、測量、自動施工、積算、インフラ点検など、あらゆる領域で急速に進んでいます。本記事で紹介したAutodesk、Bentley、Buildots、OpenSpace、Procore、ANDPAD、Dusty Robotics、コマツなど、多様なツールが建設DXを加速させています。

建設AI導入を成功させるには、現場の課題から始め、段階的に導入し、現場作業員を巻き込み、データ活用の仕組みを構築することが重要です。技術導入だけでなく、組織・プロセスの変革とセットで取り組むことで、真の効果を得ることができます。

人手不足、熟練者の高齢化、生産性向上の要請など、建設業界の課題は山積していますが、AIはこれらを解決する強力なツールとなります。本ガイドが、皆様の建設DX推進の一助となれば幸いです。

関連記事

✍️ 生成AI総合研究所編集部

生成AI総合研究所は、最新のAI技術とビジネス活用事例を調査・発信する専門メディアです。建設、製造、金融、医療など各業界のAI導入事例を取材し、実践的な知見を共有することを目指しています。

MUST READ

生成AI、結局どう使う?を解決する
現場のための「導入・活用実践ガイド」

「何から始めるべきか分からない」悩みを解消。ビジネスの現場で明日から使えるチェックリストと選定基準をまとめました。

  • 失敗しない「ツール選定比較表」
  • 非専門家でもわかる「活用ステップ」
  • 最低限知っておくべき「安全ルール」
  • 現場が納得する「導入の進め方」
FREE
GENERATIVE AI
BUSINESS GUIDE

Share

Xで共有 Facebook

おすすめ資料

生成AI導入の成功手順をまとめたホワイトペーパーを無料配布中です。

ダウンロードする

関連記事

すべて見る
議事録AI評価No.1
Notta (ノッタ)
無料で試す